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草刈機のエンジン式と充電式の違い|音・振動・稼働時間から見る使い分け

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草刈機を新しく用意するとき、エンジン式と充電式のどちらにするかで手が止まる方は多いはずです。売り場に並ぶ両者は、見た目こそ似た形をしていますが、動力の取り出し方が違うため、一日の作業の組み立て方、音と振動の出方、保管の仕方、整備の手間まで違ってきます。どちらが上という話ではなく、刈る場所と刈る量、そして機械を置く環境によって向き不向きが入れ替わります。

この記事では、両方式の違いを8つの軸に分けて並べ、その違いが実際の作業のどこに出るのかを順に見ていきます。カタログの数字を見比べる前に、自分の作業がどちら側に寄っているのかを見極めるための材料としてお使いください。

※本記事は動力方式の一般的な違いを整理したものです。個々の製品の仕様と安全上の注意は、各メーカーの取扱説明書とカタログでお確かめください。法令の適用は作業の内容と場所によって変わりますので、実際の判断は所轄の窓口にご確認ください。

当社はマキタの代理店です。広島の本社と5つの営業所から、電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
お探しの品目やお困りごとがはっきりしている場合は、この先を読み進める前にご相談いただいて構いません。ご相談は法人・個人事業主のお客様を対象としております。082-232-1141(当社 本社)/お問い合わせフォーム

動力の取り出し方から見た2つの方式

燃料を燃やして回すエンジン式の成り立ち

エンジン式は、混合燃料を燃やした力で刈刃を回します。燃料タンクが空になっても、携行缶から注げばその場で作業を続けられます。電源のない山林や、車を寄せられない河川敷でも、燃料さえ持ち込めば動かせる点が長く支持されてきた理由です。いっぽうで、始動には手順が要り、気温の低い朝や、しばらく使っていなかった機械では、かかりにくくなることもあります。

燃料は作業のたびに調合し、余った分の置き場所も考えることになります。運転中は排気ガスと排気音が出るため、風の抜けにくい場所や、住宅が近い場所では気を配る場面が増えます。

電池から回す充電式の成り立ち

充電式は、リチウムイオンのバッテリからモーターを回します。燃料の調合と携行が要らず、スイッチ操作だけで始動できるため、短い作業を一日に何度も挟む使い方と相性がよい方式です。排気ガスが出ず、運転音も連続した排気音とは質が違うため、住宅地や施設まわりで扱いやすくなります。

その代わり、一充電あたりの作業量には上限があります。作業を切らさずに回すには、バッテリの本数と充電の段取りをあらかじめ組んでおく必要があります。電圧帯ごとの性格の違いと、電圧が作業内容にどう影響するかは、充電式草刈機の選び方と電圧別の違いで数値の読み方まで整理しています。

両方式の違いが出る8つの軸

エンジン式と充電式の違いが作業に出る場所
比べる軸
エンジン式
充電式
始動
手順を踏んで始動し、気温や保管期間で手ごたえが変わります
スイッチ操作で始動し、日をまたいでも手ごたえが変わりにくいです
連続稼働
燃料を注ぎ足せば作業を続けられます
バッテリ本数と充電の段取りで一日の作業量が決まります
運転中は連続した排気音が出ます
排気音が出ず、刈刃が草を切る音の比重が高くなります
排気
排気ガスが出るため風通しに気を配ります
排気ガスが出ないため屋根のある場所でも扱えます
重量の置き場所
エンジンが後方にあり、竿の後ろ側に重さが集まります
機種によって手元、腰、背中と重さの置き場所が分かれます
補給するもの
混合燃料の調合と携行缶の用意が要ります
充電の時間と、充電できる場所の確保が要ります
整備
点火プラグ、空気清浄器、燃料系の手入れが続きます
端子の汚れと通気口の詰まりの手入れが中心です
長期保管
燃料を抜き、燃料の置き場所を分けて管理します
バッテリを本体から外し、高温と直射日光を避けて置きます

表の右端と左端を見比べると、違いが出るのは機械の力そのものより、作業の前後にある段取りだと分かります。以下では、判断を左右しやすい音、振動、稼働時間、保管の4つを掘り下げます。

音の違いと近隣への配慮

法令が名指しで対象にしている作業の範囲

音の話をするとき、まず押さえておきたいのは、騒音規制法が名指しで規制の対象にしている作業は限られているという点です。特定建設作業として政令で定められているのは8種類で、くい打機とくい抜機を使う作業、びょう打機を使う作業、さく岩機を使う作業、一定の出力以上の空気圧縮機を使う作業、コンクリートやアスファルトを現場で製造する設備を設けて行う作業、そして一定の出力以上のバックホウ、トラクターショベル、ブルドーザーを使う作業です。草刈機はこの8種類に含まれていません。

ただし、法の対象外であることと、近隣に音が届かないことは別の話です。特定建設作業の基準では、敷地の境界で騒音85デシベル以下という数値が置かれ、あわせて作業を避ける時間帯と1日の作業時間の上限が区域ごとに定められています。学校、保育所、病院、図書館、特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80メートルは、より厳しい区域として扱われます。草刈機が対象外だとしても、こうした施設の近くで朝早くから排気音を出す作業は、周囲の受け止め方が変わります。区域ごとの時間帯の決まりについては、業種と場面別に見た工具の選定基準で詳しく扱っています。


出典:神奈川県『建設作業に対する騒音・振動の規制』

時間帯と場所で変わる気の使い方

充電式は排気音が出ないぶん、作業を始められる時間帯の幅が広がります。夏場に日中の暑さを避けて朝の涼しい時間に刈りたい、施設の利用者が少ない早朝に済ませたいといった要望には、充電式のほうが答えやすい場面が多くなります。逆に、まわりに住宅も施設もない山あいの土地で、一日中刈り続ける作業なら、音の差は判断材料としてほとんど影響しません。

なお、充電式でも刈刃が草を切る音と、飛んだ石が金属に当たる音は出ます。作業中に声をかけても届かない点は両方式に共通するため、合図の決め方は動力方式にかかわらず用意しておいてください。

振動と作業時間の組み立て

草刈機は動力方式にかかわらず振動工具です。厚生労働省の振動障害予防対策指針では、日振動ばく露限界値を5.0m/s2、日振動ばく露対策値を2.5m/s2と定めています。農作業安全情報センターは、1回の連続作業を30分以内とし、その後5分以上の休止時間を取ること、1日の使用時間が2時間以下になるよう作業計画を立てることを挙げています。

両方式のどちらが振動が小さいかは、動力の違いより機種ごとの構造と整備の状態で決まる部分が大きく、機種名を見ずに一般化はできません。手元に伝わる値はカタログに記載されているので、候補が絞れた段階で数字を見比べてください。振動の値から1日の作業時間を割り出す考え方は、充電式草刈機の電圧別の違いと選定基準で扱っています。


出典:厚生労働省『チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針』
出典:農研機構 農作業安全情報センター『農作業安全ポイント(刈払機)』

多口充電ケースに複数のバッテリをまとめて収め、同時に充電している

一日の作業量の設計

燃料の継ぎ足しという考え方

エンジン式は、燃料を持ち込んだ量が一日の作業量の上限になります。携行缶を積んでおけば、現場に電源がなくても作業を止めずに済みます。作業地が広く、電源から遠く、一日中刈り続けるという条件がそろうほど、この身軽さが役立ちます。

バッテリ本数と充電器の台数の逆算

充電式では、一日に刈る面積と刈り終えたい時刻から、必要なバッテリ本数を逆算します。作業を切らさずに回す形の出発点は、使用中の1本に対して充電中の1本を用意する組み合わせです。バッテリを増やすか充電器を増やすかで費用の掛かり方が変わるため、車内で充電できるか、詰所に電源があるかといった現場の条件と合わせて決めます。充電器の種類ごとの違いと台数の逆算は、充電器の種類と選び方にまとめています。

刈刃の選び方は作業速度にも影響します。同じ機械でも、対象に合わない刃を付けていると刈り残しが増え、二度刈りの分だけ稼働時間を食います。刃の種類ごとの向き不向きは、草刈機向け替刃の選び方と種類ごとの特徴をご覧ください。

保管と安全の違い

燃料を持つ側の置き場所

エンジン式は、機械そのものよりも燃料の管理に手数が掛かります。長期間使わない期間はタンクとキャブレターから燃料を抜き、携行缶は火の気から離した場所で保管します。給油の際は火気から離れた場所でエンジンをかけるという手順も、作業のたびに守る前提になります。

電池を持つ側の置き場所

充電式は燃料を持ちませんが、バッテリの扱い方が代わりに重要になります。長期間使わない期間は本体から外し、高温と直射日光を避けた場所に置きます。真夏の車内に積みっぱなしにする置き方は避けてください。

バッテリは純正品を使ってください。製品評価技術基盤機構は、2014年から2023年までの10年間に、非純正のバッテリーに関する事故が235件あり、うち227件が火災だったと公表しています。建物が全焼した事故も起きています。総務省消防庁も、リチウムイオン電池等から出火した火災が急増しているとして、安全な製品の購入と使用時の適切な取扱いを呼びかけています。純正品と非純正品の見分け方は、純正バッテリーを選ぶべき理由と非純正品との違いで詳しく扱っています。


出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構『非純正バッテリーの使用による事故に注意』
出典:総務省消防庁『リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表』

季節と気温で開く差

寒い時期の始動と使い始め

草刈りは春から秋にかけて集中するため、冬をはさんで数か月動かさない機械が出てきます。エンジン式は、この空白期間に燃料が変質してかかりにくくなることがあり、シーズンのはじめに手を入れる前提で段取りを組みます。使い始めの日にいきなり現場へ持ち込むのではなく、前日に一度かけてみる運用にしておくと、当日の予定が崩れにくくなります。

充電式は、空白期間があっても始動の手ごたえは変わりません。ただし低温下ではバッテリが本来の容量を出しにくくなるため、寒い朝の一本目は持ちが短く感じられることがあります。前夜に室内で充電し、現場へは保温した状態で持ち込むと、体感の差が小さくなります。

夏場の高温と休憩の入れ方

草刈りの最盛期は気温の高い時期と重なります。消費者庁の整理では、刈払機の事故は5月と7月から8月に多いとされています。暑さで判断が鈍る時間帯に、疲れた腕で刃を振り回す形になりやすいためです。動力方式にかかわらず、連続作業を30分で区切り、休憩をはさむ組み立てにしてください。

機械の側では、夏場に注意する箇所が方式ごとに分かれます。エンジン式は熱を持った本体に触れたときの火傷を避けるため、給油と刃の交換の前に一度冷ます時間を取ります。充電式は、高温になった車内にバッテリを置いたままにしない、直射日光の当たる場所で充電しないという扱いが基本です。休憩の時間に日陰へ機械ごと移しておくと、両方の手当てが同時に済みます。


出典:消費者庁『刈払機(草刈機)による事故に注意しましょう!』

整備の手間と不調が出たときの動き

エンジン式は、点火プラグ、空気清浄器、燃料系という手を入れる場所がはっきりしています。季節をまたぐと燃料が変質して始動しにくくなるため、使い始めの時期に手入れをまとめて済ませる運用が定着しています。手数は掛かりますが、症状と原因の対応関係が知られているため、切り分けの見当は付けやすい方式です。

充電式は、日常の手入れが端子の汚れと通気口の詰まりに集約されます。ただし、動かなくなったときは本体、バッテリ、充電器のどこに原因があるのかを切り分ける必要があり、別のバッテリや別の充電器で試す形が近道になります。手持ちの予備が1組もない状態だと、切り分けそのものが進みません。予備を1組持つことには、作業を止めないという意味と、原因を早く見つけるという意味の両方があります。

当社が納めた製品の修理をお受けしています。機種と状態をお知らせください。作業を止めずに修理へ出す進め方は、修理で現場を止めないための進め方にまとめています。

条件から見た向き不向きの整理

充電式が向く条件

住宅や施設が近い、短い作業を何度も挟む、朝夕の時間帯に作業する、電源のある場所へ戻れる、燃料の保管場所を減らしたい

エンジン式が向く条件

電源から遠い、一日中刈り続ける、周囲に住宅や施設がない、燃料を積んで移動する体制がすでにある

両方を持つ判断

作業地の条件が季節や案件で入れ替わる場合は、片方に寄せず用途で使い分けるほうが手が止まりにくくなります

なお、両方をそろえる前に、片方を借りて使い勝手を確かめる進め方も取れます。年に数回しか出番のない条件なら、購入せずに借りるほうが手元の機械を増やさずに済みます。用途と電圧から機種を絞り込む手順は、用途と電圧別に整理した草刈り機の選び方にまとめています。借りるときの段取りは、電動工具をレンタルする利点と調達方法をご覧ください。

どこで買うかまで含めた見極め

どちらの方式を選んでも、購入後に窓口を使う場面は残ります。エンジン式なら燃料系の手入れと部品交換、充電式ならバッテリの追加と充電器の買い足しです。窓口が手元にあるかどうかで、作業を止める日数が変わります。マキタの場合、営業所は相談の窓口ですが製品の販売は行っておらず、購入は登録販売店で受け付ける形になっています。

当社は明治28年に広島市で創業し、本年で130年になります。広島市の本社に加えて福山、三次、呉、岡山、周南に営業所を置き、呉営業所には江田島分室を設けています。在庫や距離、現場の状況によりますが、午前中のご連絡で近隣エリアへは午後のお届けを目指します。なお、当日の手配は口座をお持ちのお取引先様を対象としています。新規のお取引をお考えの場合も、口座開設からご相談を承ります。広島で正規代理店を使うときの見どころは、広島のマキタ正規代理店を活用するメリットにまとめています。


出典:株式会社マキタ『支店・営業所』

刈る場所と一日の作業量をお聞かせいただければ、どちらの方式が合うかの整理からお手伝いします

当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所から電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
ご不明な点がございましたら、お電話でもお受けしております。082-232-1141(当社 本社)

よくいただくご質問

充電式はエンジン式よりパワーが劣りますか

方式の違いだけでは決まりません。同じ充電式でも電圧帯と刈刃の組み合わせで刈れる対象が変わり、同じエンジン式でも排気量で差が出ます。刈る対象を先に決め、その対象に届く仕様を各方式の中から探す順番でご検討ください。伸びきった雑草や細い笹が相手なら、充電式でも余力の大きい電圧帯を選ぶことで作業が成り立つ場面が多くあります。

充電式に替えると音の問題は解決しますか

排気音が出なくなるため、住宅や施設が近い場所では受け止め方が変わります。ただし刈刃が草を切る音と、飛んだ石が当たる音は残ります。朝夕の作業では、音そのものより作業の予告と作業時間の伝え方のほうが有効な場面もあります。

草刈機の作業に届出は要りますか

騒音規制法で特定建設作業として政令に定められた8種類に草刈機は含まれていないため、同法にもとづく特定建設作業の届出の対象からは外れます。ただし自治体ごとに定めのある場合がありますので、実際の判断は作業地の所轄窓口にご確認ください。

エンジン式から充電式へ替える場合、何から手を付ければよいですか

先に、1日に刈る面積と、作業を止めたくない時間帯を整理しておくことが大切です。そこからバッテリの本数と充電器の台数が決まり、必要な電圧帯が絞れます。すでに同じシリーズの工具をお使いなら、手持ちのバッテリを回せる場合がありますので、型番をお知らせいただければ照合します。同じ考え方で刃物の機械を選ぶ例として、ヘッジトリマーの刃長と電源方式の見方もあわせてご覧ください。

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