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充電式のマキタ草刈機を選ぶとき、判断の中心に置きたいのは電圧です。18V、18Vバッテリーを2本使う36V、そして40Vmaxという3つの電源系統があり、刈る草の太さと面積、1日に何時間動かすかでどのバッテリーが適しているかが変わります。
電圧を後回しにして本体の重さや価格帯から決めてしまうと、現場に入ってから力が足りない、あるいは持て余して重いだけという食い違いが起きます。
そこで本記事では、ご自身の現場にあった電圧と形状の候補が絞り込めるようわかりやすくご紹介します。
本記事に記載した製品の仕様や機能は、執筆時点でメーカーが公開している情報および公的機関の資料に基づいて整理したものです。最新の仕様、対応バッテリー、法令の運用については、メーカー公式情報および当社の窓口で個別にご確認ください。

目次
充電式の刈払機が現場で普及している理由は、「排気ガスが出ない」「始動がスムーズ」「日々の手入れが楽」という3点に集約されます。これらは草を刈るスピードそのものというより、作業を「すぐに始められる時間」と「快適に続けられる時間」を増やす効果があります。
特に差が出るのが、排気ガスが留まりやすい場所です。エンジン式は燃料を燃やして動くため、どうしても作業者の顔の周りに排気が漂います。「屋外なら大丈夫」と思いがちですが、風が抜けない場所では無視できない問題となります。
排気が滞留しやすいのは、次のような場所です。
建物の外壁と法面のあいだ、幅の狭い通路
塀やフェンスで三方が囲まれた植え込みまわり
資材やパレットが積まれた置き場の陰
谷側から風が上がらない時間帯の斜面下部
刈払機は前かがみの姿勢で使う道具であり、排気口の高さと呼吸の高さが近くなります。夏場の湿度が高い日に、囲まれた場所で30分続けて作業した経験のある方なら、頭が重くなる感覚に心当たりがあるはずです。充電式ではモーターで刃を回すため、作業中に排気が出ません。
朝の準備時間もぐっと短縮されます。始動の軽さは気休めなどではなく、数分単位の明確な「時間の差」となって現れます。それでは、エンジン式と充電式で作業にかかるまでの手順を比べてみましょう。
エンジン式は、気温の低い朝やしばらく使っていなかった機体だと特に手間取ります。特に1人で複数台を立ち上げる場合、その時間的ロスは大きな負担となります。
作業が中断した際の手間も大きく異なります。エンジン式は燃料切れで止まるため再給油が必要ですが、こぼれた燃料の拭き取りや火気への配慮など、余計な気遣いや作業が欠かせません。一方、充電式はバッテリーが切れても予備に差し替えるだけで、数十秒もあれば作業を再開できます。この「復帰の早さがバッテリーの本数で決まる」という点が、後ほど解説する運用計画の肝になってきます。
充電式にも弱点があります。それは、気温が低い日はバッテリーの動作時間が短くなり、満充電のはずが思ったより早く落ちる場面が出てくることです。冬季の作業では、車内で保温してから使うといった工夫が必要になるでしょう。
メンテナンスの内容もガラリと変わります。エンジン式で必須だった燃料系や点火系の手入れが不要になる一方で、代わりにバッテリーや端子部分の管理が必要になってきます。日常の点検項目を書き出してみると、その変化は一目瞭然です。
騒音対策が必要かどうかは、単なる「作業の快適さ」ではなく「労務管理」における重要な課題です。
厚生労働省の「騒音障害防止のためのガイドライン」では、作業者の障害を防ぐために管理対象となる作業場を定めています。
別表第1: 労働安全衛生規則に基づき、6ヶ月に1回の定期的な騒音レベル測定が義務付けられた屋内作業場
別表第2: 騒音レベルが85dB以上になりやすい50の作業(伐採や建設などの屋外作業、手持動力工具を使う作業など)
屋外作業では、定点測定や個人ばく露測定のほか、推計による測定も認められています。さらに同ガイドラインでは、別表に該当しない作業であっても騒音が高い業務には同様の対策を講じることが望ましいとされており、刈払機を長時間使う作業もこの「対策が推奨される業務」に当てはまるケースが多くあります。
なお、測定結果は以下の3区分で評価されます。
同ガイドラインでは、第Ⅰ管理区分に区分されることが継続している場所である場合を除き、聴覚保護具を使用させることとされています。手持ちの動力工具を使う業務は、ここに当たりやすい類型です。
健康診断の側にも規定があります。定期の健康診断では、1,000ヘルツ及び4,000ヘルツにおける選別聴力検査として、1,000ヘルツについては30dB、4,000ヘルツについては25dB及び30dBの音圧で検査を行うこととされています。音の大きい機械を使い続ける現場では、こうした検査と記録が付いてまわります。
充電式に替えれば数値が自動で下がるという単純な話ではありません。ただ、機械そのものの音が小さくなれば測定値が85dBを下回る余地が広がり、保護具の使用や測定の手間から離れやすくなります。音の管理を機械の選び方で軽くできるという点が、業務用として見たときの利点です。
一方で、振動は充電式でも管理の対象に含まれます。 充電式にすれば振動の規制から外れる、というわけではありません。厚生労働省の「チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針」(平成21年7月10日 基発0710第2号)では、内燃機関を内蔵する可搬式工具などが対象業務として挙げられており、職場のあんぜんサイトの解説でも、対象となる振動工具として刈払機と可搬式草刈機が並べて示されています。
つまり、エンジン式でも充電式でも、刈払機を使う作業は振動障害を防ぐ枠組みの中にあります。違いは規制の有無ではなく、同じ計算式に入れたときの数字です。
指針では、日振動ばく露量A(8)について日振動ばく露限界値を5.0m/s²、日振動ばく露対策値を2.5m/s²と定めています。限界値を超えないよう振動ばく露時間を抑えることが基本で、限界値を下回っていても対策値を超える場合には低減に努めることとされています。
1日に振動を受けてよい時間は、次の式で求めます。
振動ばく露限界時間 TL = 200 / a²[時間](aは周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値)
式に数字を入れてみると、振動の大小が作業時間にどう跳ね返るかが見えてきます。下表は式に代入した計算例であり、特定の機種の実測値ではありません。
aが2倍になるとTLは4分の1になります。振動の大きい機械では、午前中で作業を切り上げる段取りを組まざるを得ません。振動の小さい機械なら、同じ作業量を分割せずに片づけられる日が増えます。
なお、算出したTLが2時間を超える場合には、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以下とすることとされています。あわせて、正常な静止状態にある時間を3時間以上確保することも示されています。振動の小さい機械を選ぶ意味は規制の外に出ることではなく、同じ規制の中で使える時間を長く取れることにあります。
なお、エンジン式を手放すかどうかは現場ごとに分かれます。 電源のない山間部で1日中刈り続ける作業や、給油だけで連続稼働を続けたい長時間の請負作業では、エンジン式のほうが段取りが簡単に済む場面が残ります。燃料を積んでおけば本数の計算が要らず、気温の低い時期に動作時間が落ちる心配もありません。
充電式とエンジン式を併せて持ち、現場の条件で使い分ける形も進め方の一つです。全面的に切り替えるかどうかを先に決めるより、どの現場をどちらに割り当てるかという整理から入るほうが、実務では収まりがよくなります。年間の作業を並べたうえで、音の制約がある現場と電源のない現場を分けてみると、必要な台数の見当が付きます。
草刈機の電圧やハンドル形状ごとの向き先については、マキタ草刈り機の用途・電圧別の整理でも別の切り口からまとめています。あわせてご覧ください。
出典:厚生労働省『騒音障害防止のためのガイドラインについて』
出典:厚生労働省『チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について』
出典:職場のあんぜんサイト(厚生労働省)『振動障害[安全衛生キーワード]』
マキタの充電式草刈機は、大きく3つの電源系統に分かれています。18Vのバッテリー1本で動かすもの、18Vのバッテリーを2本使って36Vとして動かすもの、そして40Vmaxシリーズです。マキタ公式サイトでも、園芸カテゴリの中に40Vmaxシリーズの製品群がまとめられています。
系統をまたぐとバッテリーの使い回しができなくなるため、電圧の決定は本体1台の話では終わりません。手持ちのバッテリーと充電器を含めた電源側の備えをどう揃えるかという判断になります。
電圧を決める前に押さえたい条件は3つです。 順番に当てはめていくと、候補が2系統くらいまで絞れます。
刈る対象:柔らかい雑草か、太く育ったススキや雑木交じりか
1回の面積:庭先や施設の一角か、農地1枚か、造成地の全面か
連続で動かす時間:30分程度で足りるか、午前いっぱい止めたくないか
対象が硬くなるほど、また面積が広くなるほど、モーターにかかる負荷が上がって回転が落ちやすくなります。負荷が続くと保護回路が働いて動作が止まる、いわゆる熱ダレも起こりやすくなります。
刃の大きさも電圧と関わります。大きな径の刃は一度に刈れる幅が広がるかわりに、回すために必要な力も増えます。低い電圧のモデルに大径の刃を付けても、回転が保てず刈り跡が荒れるだけに終わりがちです。取り付けられる刃の径は機種ごとに決まっているため、電圧と刃径はまとめて考えるほうが無理がありません。
現場のかたちに当てはめると、向き先はおおむね次のように分かれます。
あわせて、バッテリー互換性を先に確かめておきます。 すでにマキタの電動工具を使っている事業所では、互換性が決め手になりがちです。インパクトドライバーやライトを18Vで揃えているなら、草刈機も18V系にするとバッテリーと充電器を共用できます。
40Vmaxは専用のバッテリーで動く系統のため、18Vのバッテリーをそのまま挿すことはできません。ただしマキタは、40Vmaxの充電器で18V/14.4Vのバッテリーを充電するための互換アダプタや、40Vmax・18V×2・18Vに対応するポータブル電源ユニットも公式ラインナップに含めています。系統をまたいで運用する前提なら、周辺機器まで含めて組み立てるのが現実的です。
18V系が向くのは、刈る草が硬すぎず、1回の作業が短時間から中程度で収まる現場です。庭先、事業所の敷地内、施設の植え込みまわり、駐車場の際といった場所の定期整備が代表的な使い方です。
軽さの利点は、作業時間そのものより作業のばらつきを減らすところに出ます。機体が軽ければ、担当者が交代しても振り幅が安定し、慣れていない人でも刃先を水平に保ちやすくなります。刃を体から離した姿勢を続けやすいという意味では、安全面にも効いてきます。
複数の人が同じ機体を使う職場では、電源系統を1つに揃えておく意味も大きくなります。バッテリーの形が同じなら、誰が持ち出しても差し替えができ、朝の受け渡しで迷いません。取扱いの説明も1系統で済みます。
年に数回しか使わない機材を1台ずつ買い足すと、保管場所と点検の手間が増えていきます。18V系にはスプリット式の製品もあり、同じ動力部にヘッジトリマーやポールソーのアタッチメントを付け替える運用ができます。
18V系を選ぶ場面で確かめておきたいのは、次の3点です。
手元の18Vバッテリーの容量(Ah)と本数、劣化の程度
充電器の台数と、同時に充電できる本数
刈る草の質が、途中で硬いものへ変わる時期があるか
学校や官公庁、地方自治体の設備管理では、インパクトドライバーやライトを18Vで揃えている例が多く、既存のバッテリーをそのまま活かしたいという相談が当社にも寄せられます。1つの候補として当社では、保有している型番と本数を伺ったうえで、充電器の数と保管場所まで含めた組み合わせをご提案しています。
36V仕様は、18Vバッテリー2本を装着して動かす系統です。手持ちの18V資産を活かしたまま出力を上げられるため、18Vでは力が足りず、40Vmaxまでは踏み込みたくないという中間の要望に応えます。
向くのは、農地のあぜ道、棚田の畦、都市公園や河川敷など、1回あたりの面積がまとまっていて、草の質も一様でない現場です。柔らかい草の中に硬い茎が混ざる状況では、回転の落ち込みが少ないほど刈り跡がそろいます。
運用面では、2本を同時に消費する点に注意が必要です。同じ稼働時間を確保するには、18V機の2倍のペースでバッテリーを回すことになります。作業時間から必要本数を逆算する手順を、簡単な形で示します。
手順1 1日の刈り面積から、機械を動かす時間をおおよそ見積もる
手順2 使う機種の1充電あたりの目安時間で割り、必要な充電回数を出す
手順3 36V機は1回に2本使うため、その回数を2倍する
手順4 現場で充電できる本数を差し引き、携行する本数を決める
2本を組にして使う機種では、容量と使用歴をそろえたバッテリーを組にするほうが安定します。新品と数年使ったバッテリーを混ぜると、先に弱った側に合わせて動作が終わり、もう1本の残りを使い切れません。組にする2本は容量と使い込み具合をそろえるという管理を、番号を書いたシールなどで見える形にしておくと崩れにくくなります。
充電器の台数が足りないと、機械が動けるのにバッテリーが待ちになるという逆転が起きます。本体の台数だけでなく、充電器の台数まで含めて数えるのが要点です。
替刃の消耗も出力に応じて変わります。刃の選び方や交換の目安については、マキタ草刈機の替刃の選び方で整理していますので、機種を決める前に一度目を通しておくと判断しやすくなります。
40Vmaxは、マキタが園芸カテゴリで展開している高出力側の系統です。造成前の除草、法面の荒れ地、夏を越して太くなったススキや雑木交じりの土地など、刃を入れた瞬間の抵抗が大きい作業に向きます。
高負荷の作業で効いてくるのは、最高出力そのものより、負荷がかかり続けたときに回転を保てるかどうかです。回転が落ちると刈るのではなく押し倒す動きになり、刈り残しが増えて二度刈りが発生します。
二度刈りの影響は、時間だけでは終わりません。
同じ面積に2回刃を入れるため、替刃の消耗が早まる
刈り残した草が寝てしまい、次の刃が入りにくくなる
作業時間が伸びるぶん、振動ばく露時間も積み上がる
現場をまたぐ予定が後ろへずれ、翌日の段取りに波及する
高出力側を選ぶときは、重量の増え方も見ておきたいところです。容量の大きなバッテリーを積むほど手元は重くなり、長時間の連続作業では肩と腰への負担が増します。肩掛けバンドの掛け方を見直すか、背負い式の電源を使う形も候補になります。
農業向けの機材選びという観点では、草刈機以外の道具との組み合わせも判断材料になります。マキタの農耕具の使い方では、農地まわりで使う機材の考え方をまとめています。
広島県内の土木・建設現場や中山間地の農地では、作業できる日が天候に左右されるぶん、動かせる日に止まらないことが段取りの前提です。1つの候補として当社では、刈る対象と面積、当日の作業人数を伺ったうえで、必要な電圧帯と予備のバッテリー本数を組み合わせた形でご相談を承っています。広島市の本社に加えて福山、三次、呉、江田島、周南、岡山にも拠点を置き、自社トラック40台強の配送体制で現場までお届けする形を取っています。
出典:株式会社マキタ『40Vmaxバッテリシリーズ』
出典:株式会社マキタ『40Vmax→18/14.4Vバッテリ充電用互換アダプタ』
電圧を絞ったあとに残るのがハンドル形状です。同じ電圧、同じ刃径でも、ハンドルが違えば刈れる地形が変わります。平坦地か傾斜地かという一点で、疲れ方と安全性が大きく分かれます。
形状は主に3種類です。両手を左右に広げて持つUハンドル、片手で輪を握るループハンドル、そして棹を直接両手で持つ2グリップ仕様に分かれます。

形状より先に見直したいのが、肩掛けバンドの長さです。バンドが長すぎると刃先が下がって地面を叩き、短すぎると腕で機体を支える形になって前腕が先に疲れます。刃先が地面と平行になり、力を抜いたときに刃が浮く位置が目安です。
刃を振る向きも決めておきたい点です。刃の回転方向によって刈った草が飛ぶ側が決まるため、回転方向と逆向きに振ると草を刈り跡の上へ戻してしまいます。取扱説明書で回転方向を確かめ、草が未刈り側へ飛ばない向きを標準の振り方として共有しておくと、仕上がりがそろいます。
Uハンドルは、両手を左右に離して持ち、肩掛けバンドで機体を吊って腰の回転で刃を振る形です。日本の草刈り作業で最も見かける持ち方でもあります。
利点は姿勢の安定です。左右対称に構えられるため、腰と背中にかかる負担が片側に寄りません。刃先を水平に保ったまま等しい幅でなぞれるので、広い敷地では1時間あたりに刈れる面積が伸びます。
広い区画では、刈り幅の取り方が作業量を左右します。刃径の8割程度を1回の振り幅とし、往路で刈った端に復路を少し重ねる進め方にすると、刈り残しの筋が出にくくなります。刈った草を進行方向の外側へ飛ばす向きに振ると、次の振りで草の上を刈る形を避けられます。
刃が足元へ寄りにくいという点も見逃せません。フレームで両手の位置が決まるぶん、刃と体の距離が保たれます。学校のグラウンド、河川敷、均された造成地のように障害物の少ない広い面では、Uハンドルを軸に考えるのが素直な進め方です。

法面、階段状の畦、コンクリート構造物の隙間、木の間といった場所では、Uハンドルの振り幅が取れません。刃の角度を細かく変えられるループハンドルや2グリップが向きます。
固定されたフレームがないため、持ち手をひねるだけで刃の進入角度を変えられます。起伏に合わせて上下左右へ追従させやすく、斜面を横切りながら刈る動きにも対応します。
斜面での進め方には、押さえておきたい点があります。
斜面は等高線に沿って横方向へ刈り進め、上下方向に往復しない
足場を決めてから刃を入れ、刃を振りながら足を動かさない
刈った草が足元に積もる前に、下側へ落として視界を保つ
自分より上側に人がいない位置を選び、声を掛け合ってから始める
棹からの振動が手に直接伝わりやすくなる点も見ておきます。前章で触れた日振動ばく露量A(8)の管理では、3軸合成値が大きくなるほど1日に使える時間が短くなる関係にありました。振動を吸収するグリップの採用や防振手袋の着用は、快適さのためというより作業時間を確保するための手当てという位置づけです。
刃を自由に動かせるぶん、跳ね返りで刃先が足元に向かう場面も増えます。すね当てや安全長靴、防護カバーの正しい取り付けは、Uハンドル以上に丁寧に確かめておきたいところです。
導入の効き目は、機械の仕様表よりも段取りの側に現れます。作業できる時間帯が広がり、朝の準備と作業後の手入れが短くなり、機械の不調による予定変更が減ります。一方で、電源をどう回すかという新しい計画が要ります。
導入前に決めておきたいのは、次の4点です。
本体の台数と、刈る現場ごとの割り当て
予備バッテリーの本数と、置き場所(車載か事業所か)
充電器の台数と、充電する時間帯
刃先の種類と、替刃の在庫の持ち方
音が小さいことの一番の効き目は、作業できる時間帯が増えることです。エンジン式では近隣への配慮から着手を遅らせていた現場でも、早い時間から取りかかれる余地が生まれます。
時間帯の制約が緩むと、1日の組み方が変わります。朝のうちに音の出る作業を片づけ、日中は搬入や仕上げに回すという並べ方ができるようになり、待ち時間が減ります。
音が工程を縛りやすいのは、次のような現場です。
住宅が近い分譲地の造成、外構工事の前段
病院、保育園、高齢者施設の周囲
授業中の学校敷地内、通学路に面した法面
早朝から人が動く商業施設の駐車場まわり
近隣への説明のしやすさも変わります。着手前の挨拶で作業内容を伝えるとき、音の出方について具体的に説明できると、苦情による中断が起きにくくなります。作業時間帯と休憩の入れ方をあらかじめ示しておく進め方も、そのまま使えます。
手入れの工数についても、前章の点検表のとおり中身が入れ替わります。日常の確認が刃とバッテリーに寄るため、機械に詳しい人が1人しかいない事業所ほど、負担の偏りが軽くなります。
もっとも注意したいのが、1回の充電で動かせる時間です。カタログの目安値は一定の条件で測ったものであり、密に育った草地や太い茎を刈るときには短くなります。
現場で起きがちなのは、午前中でバッテリーが尽きて午後の予定が崩れる形です。防ぐには、作業計画の時点で次の3点を数えておく必要があります。
1日の刈り面積と、そこから逆算した必要な稼働時間
携行する予備バッテリーの本数と、その充電が間に合うかどうか
現場での充電手段(車載電源やポータブル電源の用意)
現場での充電の回し方には、いくつかの型があります。現場の距離と作業日数で向き先が変わります。
季節による消耗の違いも見込んでおきたいところです。梅雨明けから盛夏は草の伸びが速く、同じ面積でも刃にかかる抵抗が上がって1充電あたりの作業量が落ちます。気温が低い時期はバッテリーの動作時間が短くなります。年間で最も条件が厳しい時期を基準に本数を決めると、途中で足りなくなる場面を減らせます。
シーズンを終えたあとの保管も、翌年の稼働に響きます。長期間しまうバッテリーは、満充電のまま、あるいは空のまま置かないほうが状態を保ちやすくなります。高温になる車内や、湿気のこもる倉庫の床置きも避けたいところです。保管前に端子を拭き、残量をそろえてから箱にまとめておくと、翌シーズンの立ち上げが早くなります。
一時的に台数と本数が跳ね上がるスポット作業では、全台を購入して抱えるより、レンタルを組み合わせる進め方も候補になります。1つの候補として当社では、その工区だけ必要になる台数の追加手配や、充電式草刈機と予備バッテリー一式のレンタルを適正価格でご相談いただけます。工具のレンタルの考え方については広島の工具レンタルの使い方、マキタ製品に絞った内容は広島でのマキタ製品のレンタルでもご案内しています。
お急ぎの現場トラブルや、機材のレンタル・販売に関するご相談はこちら
機種を絞ったあとに出てくる細かな疑問を、3点にまとめました。いずれも導入後の稼働率に関わる内容です。
雨中や湿った草地での使用は、その機種が防滴・防じんの設計をどこまで備えているかで判断します。マキタの草刈機には、水滴やほこりの侵入を抑える設計を採り入れたモデルがあり、対応の範囲は機種ごとに異なります。使用前に、手元の機種の取扱説明書で許容される条件を確かめてください。
注意したいのは、本体が濡れても動く設計であることと、濡れたまま充電してよいことは別だという点です。充電器は防水を前提とした機器ではありません。濡れたバッテリーをそのまま挿すと、端子部の短絡や発熱につながる恐れがあります。
現場での手順としては、次の流れを決めておくと運用が崩れません。
手順1 作業後にバッテリーを本体から外す
手順2 端子部と外装の水気を乾いた布で拭き取る
手順3 常温の屋内に置き、表面が乾いてから充電器に挿す
手順4 保管用のケースに入れ、直射日光と高温を避けて置く
機械の側とは別に、作業そのものの安全にも目を配りたいところです。濡れた草地は足が滑りやすく、斜面では特に踏ん張りが利きません。濡れた草は刃やカバーの内側に巻き付きやすく、詰まりを取るために刃へ手を伸ばす場面が増えます。刈り取りを止め、電源を切ってから外す手順を徹底しておきたい場面です。
雨天が続く時期は、拭き取り用の布と保管用のケースを車載しておくと、現場の判断で迷わずに済みます。
ナイロンコードは、金属の刃に比べて障害物に当たったときの跳ね返りが小さく、縁石やフェンス際、樹木の根元まわりの刈り込みに向く刃先です。一方で、回転時の空気抵抗が大きく、草を叩いて切る動きのためモーターにかかる負荷も上がります。
そのため、低い電圧のモデルにナイロンコードを付けると、回転数が落ちて刈れなくなったり、保護機能が働いて止まりやすくなったりします。取り付けできる刃先の種類は機種ごとに決まっているため、手元の機種で認められている刃先の範囲を取扱説明書で確認する手順が先に来ます。
業務でナイロンコードを常用する前提なら、36Vや40Vmaxのように出力側に余裕がある系統から候補を絞るほうが、作業が途切れにくくなります。コードの太さも負荷に関わるため、細いものから試して様子を見る進め方が無理がありません。使う長さを短めに保つと抵抗が減り、動作時間の落ち込みも抑えられます。
あわせて、ナイロンコードは金属刃より飛散物が多く出ます。防護メガネや顔面の保護具、規定位置に取り付けた飛散防護カバーが欠かせません。駐車中の車両、住宅の窓ガラス、通行人が近い歩道際では、養生シートを立てるか、作業する時間帯をずらす判断も必要です。
刃先ごとの向き先や交換の頻度については、マキタ草刈機の替刃の選び方で詳しく整理しています。
草刈機は、粉じんと抵抗を受け続ける機械です。点検を挟まないまま繁忙期に入ると、作業の途中で止まります。購入時の価格差より、止まった日の損失のほうが大きくなる場面は珍しくありません。
止まる前に気づける項目を挙げておきます。
ギヤヘッド部の注油と発熱、回したときの異音
シャフトのがた、ハンドル固定部のゆるみ
刃の取り付け面の摩耗、固定ナットのねじ山
バッテリー端子の変色、充電時間が急に伸びていないか
点検を入れる時期を決めておくと、繁忙期の停止を減らせます。草の伸びが始まる前の春先に一度全台を通しで見ておき、盛夏の前にもう一度刃とギヤヘッド部を確認する組み方が現実的です。繁忙期に入ってから直す機械を探すのではなく、入る前に直しておくという事前の段取りが重要になります。
他社(ネット通販やホームセンター等)でご購入いただいた製品の修理については、原則としてお断りしております。製品をご購入いただいた販売店へご相談ください。当社では、日頃よりお取引のあるお客様のサポートを最優先としております。
そのため、業務用の機材を導入する際は、販売だけでなく修理やメンテナンス体制が整っている調達先を選ぶことが重要です。秋本産業では、日頃お取引いただいているお客様に向けて、建築・土木資材や電動工具の供給に加え、万が一の故障時の修理対応も承っております。広島市の本社をはじめ、県内・近県の各拠点(福山、三次、呉、江田島、周南、岡山)から、現場の歩みを止めないサポート体制を整えています。創業から130年以上にわたり地域のお取引先とともに歩んできた商社として、機種の選び方から納品後の点検までを一続きでご相談いただけます。
修理に関する具体的な内容は、広島でのマキタ製品の修理相談および広島の電動工具の修理対応でもご案内しています。用途からモデルを比較したい場合は、マキタの充電式草刈機のモデル比較もあわせてご覧ください。
刈る対象、面積、作業人数をお知らせいただければ、電圧帯と予備バッテリーの本数まで含めた組み合わせをご案内します。広島県内の法人および個人事業主の方からのご相談を承っています。
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