広島県広島市の秋本産業株式会社では、建築資材・工具の卸販売、各メーカーの最新電動工具のレンタルをおこなっています

コンクリートに穴をあける工具を探し始めると、ハンマードリル、振動ドリル、電動ハンマーという似た名前が並んで迷います。名前が近いだけで中身の構造は別物ですし、選び違えると穴が進まない、あるいは工具のほうが先に傷むという結果になります。まず押さえるべきは、どの工具が自分の作業の守備範囲に入るのかという区分です。
この記事では、メーカーを決める前の段階で、ハンマードリルをどの物差しで比べるのかを整理します。似た工具との違い、下地に応じた穴あけ能力の見方、ビットの取付規格、そして打撃工具に共通する振動と粉じんへの備えまでを順に見ていきます。広島県内で工具の販売と修理を扱う立場から、導入したあとに重要になる条件を中心にお伝えします。
※本記事は一般的な選定の考え方を整理したものです。個別の機種の仕様は各メーカーの取扱説明書を、法令や指針の適用については所轄の労働基準監督署をご確認ください。
当社はマキタの代理店です。広島の本社と5つの営業所から、電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
お探しの品目やお困りごとがはっきりしている場合は、この先を読み進める前にご相談いただいて構いません。ご相談は法人・個人事業主のお客様を対象としております。082-232-1141(当社 本社)/お問い合わせフォーム
目次
選定の第一歩は、工具の分類を正しく把握することです。厚生労働省の振動障害予防対策指針は、対象となる工具を機構ごとに分類しており、この分類が工具の性格の違いをそのまま示しています。
指針は、対象業務のひとつにピストンによる打撃機構を有する工具を取り扱う業務を挙げ、その対象工具としてさく岩機やコンクリートブレーカー、電動ハンマーなどを示しています。別の区分として、携帯用の皮はぎ機等の回転工具を取り扱う業務があり、こちらの対象工具にはバイブレーションドリルが挙げられています。前者は空気の圧力でピストンを往復させて打撃を作る構造、後者は回転する部品の噛み合わせで振動を作る構造です。
ハンマードリルは、ピストンによる打撃で穴を進める構造を持つ工具です。硬いコンクリートや石材に対して、押し付ける力に頼らず打撃の力で穴が進みます。つまり、作業者が体重をかけなくても穴が進むという点が、他の工具との決定的な違いです。この違いを知らずに振動ドリルで硬い下地に挑むと、押し付ける力ばかり必要になって作業が進まず、体への負担も増えます。
振動ドリルは、回転に細かい振動を重ねてもろい下地を削っていく工具です。ALCやモルタル、ブロック、タイル下地といった比較的やわらかい材に、細い径の穴をあける作業には向いています。木材や金属への穴あけも、振動を切って回転だけで使えます。1本の工具で複数の下地を扱いたい場面では扱いやすい選択肢です。
一方で、鉄筋コンクリートの躯体に太いアンカー用の穴をあける作業や、1日に何十本も穴をあける作業では、振動ドリルでは時間がかかりすぎます。穴の数と下地の硬さを書き出し、どちらの側に自社の作業が寄っているかで決めてください。両方が混在する場合は、主力をハンマードリルにして、細径の作業は別の工具に振り分ける組み方が現実的です。
電動ハンマーは打撃だけを行う工具で、回転しません。はつりや斫り、タイルの剥離、床の斫り取りといった破砕の作業が守備範囲です。穴をあける作業には向きません。逆にハンマードリルは、打撃を止めて回転だけにするモードを備えた機種が多く、穴あけと軽い破砕の両方をこなせます。ただし本格的な破砕作業を続けると本体への負担が大きくなりますので、はつりの量が多い現場では専用の工具を別に用意するほうが機械が長持ちします。破砕作業が一時的な場合は、レンタルで補う手もあります。ハンマードリルをレンタルする利点と手配のコツをまとめた記事に、借りて使う場合の考え方を整理しています。
出典:厚生労働省『チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について』
分類が決まったら、次は機種の絞り込みです。次の5つを上から順に当てはめてください。
下地の種類、穴の径と深さ、1日の本数。ここで機種の大きさが決まります。
ビットの取付規格と手持ちの資産。規格が合わないと買い直しになります。
重量、握り、振動への配慮。1日使い続けられるかを実機で確かめます。
カタログには、コンクリートへの穴あけ能力として対応できる穴の径が載っています。判断のしかたは単純で、自社でいちばん太い穴と深い穴を書き出し、能力の範囲に収まるかを確かめます。上限ぎりぎりの径を毎日あける使い方をすると、打撃部の摩耗が早まります。ふだんの作業が能力の中ほどに収まる機種を選んでおくと、機械にも作業者にも余裕が残ります。
下地の種類も見落とせません。鉄筋コンクリートの躯体では、穴の途中で鉄筋に当たることがあります。鉄筋に当たったまま打撃を続けるとビットが傷み、穴の位置もずれます。事前に鉄筋の位置を探査する手順を組み込み、当たったら位置をずらす判断ができる体制にしておいてください。既存の建物では、あける前に配線や配管の有無を確かめる手順も欠かせません。
ハンマードリルは、ビットを差し込む部分の規格が機種の系統ごとに分かれています。規格が違うビットは装着できませんので、手持ちのビットを引き継ぎたい場合は、本体側の規格表記とビット側の規格表記を突き合わせてから決めてください。大径の穴を扱う系統ほど太い規格になり、ビットの単価も上がります。本体の価格だけで比べると、ビットを一式そろえ直す費用が後から乗ってきます。
複数の系統を併用している現場では、規格ごとにビットの保管箱を分け、ラベルを付けておくと取り違えが減ります。差込み部に付いた粉じんをそのままにすると、装着が渋くなり抜けにくくなります。交換のたびに拭き取り、指定されたグリスを薄く塗る手順を決めておくと、チャックの摩耗が抑えられます。
ハンマードリルには、回転と打撃を同時に行うモード、回転だけのモード、打撃だけのモードを切り替えられる機種があります。切替の幅が広いほど1台でこなせる作業が増えますが、切替機構が増えるぶん本体は重く複雑になります。穴あけしか行わないなら、切替の少ない機種のほうが軽く扱いやすくなります。使わない機能に費用と重さを払っていないかという目で見てください。
あわせて、打撃だけのモードでビットの向きを固定できるかも確かめておくと、はつりの作業で刃先の角度を保てます。細かい点ですが、作業のたびに向きが回ってしまうと仕上がりが荒れます。
ハンマードリルは両手で保持する工具です。本体の重さそのものより、サイドハンドルの位置と角度が調整できるかどうかが体への負担を分けます。壁面の高い位置、床面、天井と、姿勢は作業ごとに変わります。ハンドルを回して好みの角度で固定でき、その状態でしっかり握れるかを実機で確かめてください。防振の配慮がある機種では、握った手に伝わる振動が目に見えて違います。
充電式は、電源の確保が難しい現場や、位置を細かく変えながら穴をあける作業で強みが出ます。コードが躯体の角に引っ掛からないぶん、姿勢も安定します。交流式は、加工場や電源の整った現場で長時間続けて使う作業に向きます。改修や設備工事のように場所を移りながら少数の穴をあける作業が中心なら、充電式を軸にすると段取りが軽くなります。
打撃を伴う工具は、作業者の手や腕に振動が伝わります。作業者を雇って使わせる以上、健康障害の防止は事業者が担う条件です。工具の選定そのものが対策の一部として位置づけられている点を押さえておいてください。
厚生労働省の振動障害予防対策指針は、ピストンによる打撃機構を有する工具を取り扱う業務のうち、金属または岩石のはつり、かしめ、切断、鋲打および削孔の業務について、一連続の振動ばく露時間の最大をおおむね10分以内とし、一連続作業の後に5分以上の休止時間を設けるよう示しています。さらに、作業の性質上ハンドル等を強く握る場合や工具を強く押さえる場合には、一連続の時間を短縮し、休止時間を延ばすことも示されています。穴あけの作業は、この10分と5分の区切りで組み立てるのが基本です。
作業のしかたについても示されています。ハンドル等以外の部分は持たないこと、ハンドル等を過度に強く握らず、かつ強く押さないこと。そして、削孔や掘さく、はつりを行うとき、特に削孔の開始時には、たがねを手で保持しないこと。作業の性質上たがねを固定する必要がある場合は、適切な補助具を用いることとされています。下向きの削孔などを行うときは、軽くひじを曲げ、できるだけ力を抜いて工具を保持するよう示されています。
1日にどれだけ振動を受けたかは、日振動ばく露量A(8)という指標で扱われます。指針では、日振動ばく露限界値が5.0m/s²、日振動ばく露対策値が2.5m/s²と定められており、限界値を超えないようばく露時間を抑えるか、振動の小さい工具を選ぶことが示されています。工具を替えるという選択が、時間を削るのと同じ効果を持つということです。機種を選ぶ段階で振動の値を比べておくと、あとから作業時間の制約に苦しむ場面が減ります。
指針では、使用する工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値を、工具への表示、取扱説明書、製造者等のホームページなどにより把握するよう示されています。数値を公開しているメーカーかどうかが、そのまま管理のしやすさに直結します。マキタは指針の対象工具について3軸合成値を自社サイトで公開しており、候補を並べて比べられます。公開されていない工具では類似の工具の値を参考にする扱いになり、余計な手間が加わります。
なお、作業者を新たに振動業務に就かせるとき、または取り扱う振動工具の種類を変更したときには、振動が人体に与える影響や工具の適正な取扱いと管理方法についての教育を行うことが示されています。機種の入れ替えは、教育を組み直す機会でもあります。
出典:厚生労働省『チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について』
出典:株式会社マキタ『振動3軸合成値』
コンクリートに穴をあけると細かい粉が出ます。作業者が吸い込むだけでなく、周囲の設備や仕上げ材にも降り積もります。既存の建物内での工事や、営業しながらの改修では、粉じんを抑えられるかどうかが作業の可否を分ける場合もあります。ビットの周囲から吸い込む集じんシステムを接続できる機種を選ぶと、後片づけの時間も減ります。集じん機を同じ電池の規格で揃えておくと、持ち込む機材がまとまります。
あける穴の径と深さによっては、集じんの経路が詰まりやすくなります。ノズルの形状が交換できるか、フィルターの清掃が現場でできるかも見ておいてください。詰まったまま使うと吸い込みが落ち、結局は粉が舞います。
集じんを付けても粉じんはゼロになりません。呼吸用保護具と保護めがねを組み合わせ、頭上での作業では落下する粉が目に入らない向きを取ってください。既存建物では、養生の範囲を先に決めておくと苦情の芽を摘めます。改修工事では、あける位置の仕上げ材に石綿を含む建材が使われている可能性がありますので、着手前の調査結果を確かめてから穴をあける手順にしてください。
ハンマードリルは電動工具の中でも消費の大きい部類です。カタログの1充電あたりの穴数は決まった条件での目安ですから、下地が硬い現場や深い穴が続く現場では、目安より早く減ります。1日にあける本数を数え、目安で割り、予備を1本足します。この計算をしておくと、午後の作業が電池待ちで止まる事態を避けられます。電圧の区分が上がると1本あたりの作業量も増えますので、消費の大きい工具から順に区分を上げていく考え方もあります。区分ごとの違いは40Vクラスのバッテリーの性能と18Vとの違いを扱った記事で整理しています。
電池の規格をひとつに寄せると、ハンマードリルで使った電池が集じん機や照明、締付工具でもそのまま使えます。マキタは18Vバッテリーが390モデル以上に共通で使えると案内しており、工具を増やすたびに電池と充電器を買い足す手間がなくなります。現場へ運ぶ荷物が減り、車載の充電器の台数も抑えられます。電池の管理と持たせ方はバッテリーの選び方と長持ちさせる使い方の記事にまとめています。
安価な非純正のバッテリーは選択肢から外してください。製品評価技術基盤機構は、2014年から2023年までの10年間に通知された製品事故情報のうち、非純正バッテリーによる事故が235件あり、そのほとんどにあたる227件が火災事故に発展したこと、なかには建物が全焼する事故も発生したことを公表しています。設計に問題があり異常発生時に安全保護装置が作動しない場合があること、品質管理が不十分で通常の使用であっても事故に至る場合があること、事故が発生した際に事業者の対応や補償を受けられない場合があることも挙げられています。純正品を選ぶ理由は純正バッテリーを選ぶべき理由を扱った記事で詳しく整理しています。
出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構『「低価格・高リスク」の非純正バッテリーに注意』
出典:株式会社マキタ『Li-ion 18Vシリーズ』
粉じんの中で使う工具ですから、手入れの有無で寿命が変わります。ビットの差込み部は使うたびに拭き取り、指定されたグリスを薄く塗ります。チャックの中に粉が詰まると、ビットの保持が甘くなって打撃の伝わり方が落ちます。刃先が丸くなったビットを使い続けると、穴が進まないだけでなく本体への負荷も上がりますので、切れなくなった時点で交換してください。
穴が進まなくなったときは、外側から順に原因を潰していきます。まずビットの摩耗、次に差込み部の詰まり、その次に電池の消耗、最後に本体内部という順です。外側で解決すれば修理に出す必要はありません。本体から異音がする、打撃が止まる、発熱が急に増えたといった変化が出た場合は、内部の消耗が進んでいる合図ですので、使用を止めて点検に出してください。修理の進め方や店の選び方は電動工具修理業者の選び方をまとめた記事で整理しています。
当社は明治28年に広島市で創業し、本年で130年を迎えました。広島市の本社に加えて福山、三次、呉、岡山、周南に営業所を置き、呉営業所には江田島分室を設けています。在庫や距離、現場の状況によりますが、午前中のご連絡で近隣エリアへは午後のお届けを目指します。なお、当日の手配は口座をお持ちのお取引先様を対象としています。呉エリアでの工具の探し方については呉エリアの取扱店の特徴と工具の探し方をまとめた記事を、機種の候補まで絞れている場合は用途別のおすすめ工具を整理した記事もご覧ください。
当社が納めた製品の修理をお受けしています。機種と状態をお知らせください。修理に出している間の代替機については、電動工具をレンタルする利点をまとめた記事で手配の考え方を整理しています。
下の表は、どの条件を重く見るかを作業内容ごとに整理したものです。機種選びの出発点として使ってください。
1台ですべてを賄おうとせず、いちばん本数の多い作業に合わせて主力を決めてください。頻度の低い作業や一時的な増員は、レンタルで補うほうが費用も保管場所も収まります。
下地の種類とあける穴の径、1日の本数をお聞かせいただければ、機種と集じんの組み合わせまでご提案します。
当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所から電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
ご不明な点がございましたら、お電話でもお受けしております。082-232-1141(当社 本社)
下地の硬さと穴の本数で決めてください。ALCやモルタル、ブロックに細い穴を少数あける作業なら振動ドリルで足ります。鉄筋コンクリートの躯体に太い穴をあける作業や、1日に多くの穴をあける作業では、打撃機構を持つハンマードリルのほうが速く進み、体への負担も抑えられます。
ビットを差し込む部分の規格が一致していれば使えます。規格は機種の系統ごとに分かれていますので、本体側とビット側の規格表記を突き合わせて確かめてください。買い替えでビットを一式そろえ直すことになると、本体の価格差を上回る場合もあります。
厚生労働省の振動障害予防対策指針は、打撃機構を持つ工具による削孔などの業務について、一連続の振動ばく露時間の最大をおおむね10分以内とし、一連続作業の後に5分以上の休止時間を設けるよう示しています。強く握る作業や強く押さえる作業では、さらに短くして休止を延ばすことも示されています。
恐れ入りますが、他の販売店やホームセンター、通信販売でお求めになった製品の修理は当社ではお受けしておりません。お買い求めになった販売店、またはメーカーの窓口へご相談ください。マキタ製品については、マキタが全国129か所の営業所を通じてサービス活動を行っており、営業所とマキタ登録販売店が窓口として案内されています。当社が納めた製品については、機種と症状をお知らせいただければ、進め方と代わりの機材の手配をあわせてお答えします。配筋の現場で使う機械としては、鉄筋結束機の比較と現場での使い分けもあわせてご覧ください。
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