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マキタの集じん丸ノコの組み方|防じんマルノコで屋内改修の粉じんを抑える切り方

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人が住んでいる建物や、営業を続けている店舗の改修では、切る場所より先に粉じんの出しどころが段取りを縛ります。養生を張り直す手間、隣の部屋へ流れた粉じんの掃除、翌朝の引き渡しに間に合わせる片付けまで含めると、切断そのものより後片付けの時間のほうが長くなる日もあります。

集じん丸ノコという呼び方で探される機械は、マキタの製品分類では防じんマルノコという名前で並んでいます。刃の周りを覆って切り粉の出口を1本にまとめ、そこへ集じん機のホースをつなぐ造りです。無線連動に対応した機種では、工具のスイッチを入れると集じん機が後から追いかけて動き出します。系統ごとの造りの違いは丸ノコの6系統と刃径の見方で確かめられます。

ただし、集じんの造りを備えた機械を入れても、法令上の義務が消えるわけではありません。粉じん障害防止規則は事業者に対して換気や保護具の措置を課しており、石綿を含む材料に当たった時点で規制の枠組みそのものが別のものへ切り替わります。

この記事では、次の内容を整理します。

  • 刃の周りを覆って粉じんを吸い込む防じんマルノコの造り
  • 集じん機との接続で決まるホース径とカフスの組み合わせ
  • 無線連動で集じん機が工具に追従する仕組み
  • 粉じん障害防止規則が事業者に求めている措置
  • 石綿を含む材料で切り替わる規制の枠組み
  • 屋内改修の段取りへ落とす機械側の組み方

※本記事は公開されているメーカー資料と法令の条文をもとに、屋内改修における粉じんへの備えを整理したものです。個別の機種の仕様と使用条件は各機種の取扱説明書をご確認ください。法令の適用範囲について判断に迷う場合は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。

当社はマキタの代理店です。広島の本社と5つの営業所から、電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
お探しの品目やお困りごとがはっきりしている場合は、この先を読み進める前にご相談いただいて構いません。ご相談は法人・個人事業主のお客様を対象としております。082-232-1141(当社 本社)/お問い合わせフォーム

目次

刃の周りを覆って粉じんを吸い込む防じんマルノコの造り

防じんマルノコは、通常の丸ノコに集じん用の部品を後付けした機械ではありません。刃を覆う部分と切り粉の通り道が最初から機体に組み込まれており、その出口の形によって2つの仕様に分かれます。どちらを選ぶかで、現場に何を持ち込むかが変わります。

ダストカバー仕様とダストボックス仕様という2つの受け持ち

ダストカバー仕様は集じん機接続専用で、本体側に切り粉をためる容器を持ちません。ダストボックス仕様は本体に容器が付いており、集じん機を持ち込まずに自己集じんで作業できます。マキタは同じ刃径の機種を、この2通りの仕様で並行して用意しています。

マキタの125mm充電式防じんマルノコに並ぶ4つの型番

型番
電源
集じんの受け持ち
KS003G
40Vmaxシリーズ
ダストカバー仕様。集じん機接続専用
KS004G
40Vmaxシリーズ
ダストボックス仕様。自己集じん対応
KS516D
直流18V
ダストカバー仕様。集じん機接続専用
KS515D
直流18V
ダストボックス仕様

KS003Gは2024年2月にKS004Gと同時に発表された40Vmaxシリーズの機種です。マキタのリリースでは、ノコ刃をハンドルの左側へ置いた逆勝手仕様として、墨線と刃先の見やすさを上げたと説明されています。バッテリーとハンドルを刃に近づけたセンターバランス設計という記述も、同じリリースに併記されました。

KS515Dも18Vクラスのダストボックス仕様です。カタログには、ダストボックスとダストカバーが別販売品で互換性有りと書かれています。屋内で集じん機を引き回せる現場と、集じん機を置く場所がない現場の両方を1台でまたぎたい場合、この付け替えが効いてきます。

40Vmaxシリーズの125mm充電式防じんマルノコKS003Gの本体

KS003GとKS516Dに共通するダストノズルからの排出

集じん機接続専用の機種では、刃を覆うダストカバーの後ろにダストノズルという口が付いています。切り粉はこの1点に集められ、ホースを通って集じん機へ運ばれます。取扱説明書の各部名称でも、書き分けられています。KS516Dの図にはダストノズルとダストカバー固定用ツマミネジが並びます。KS515Dの図にはダストボックスとダストキャップが並びます。

出口が1点にまとまっている造りは、養生の張り方にも影響します。刃の周りから四方へ飛ぶ切り粉を布で受け止める前提から、ホースの先で受け止める前提へ切り替わるためです。壁際や天井際で機体を寝かせる作業では、ホースの取り回しが作業姿勢を決める要素になります。

125mm充電式防じんマルノコKS516Dの刃の周りを近くから写した画像

浅い切り込みでも集じん率を落とさない造り

KS515DとKS516Dのカタログには、ダストカバーの説明が載っています。チップソー前面を覆って粉じんの飛散を抑え、浅い切り込み深さでも集じん率が変わらないという内容です。ボード材を下地まで切り込まずに浅く入れる作業では、刃が材から出ている面積が増えます。刃が露出した状態でも吸い込みが落ちない造りを狙ったという書き方です。

KS003GとKS004Gのリリースには、ダストボックス内の流路を見直したと書かれています。その結果として、石こうボード切断時の自己集じんでの集じん率が約91パーセントという参考値が示されています。この数値はダストボックス仕様の自己集じんについてのものですから、集じん機接続専用の機種にそのまま当てはめて読まないほうが安全です。刃径と切り込み深さから機種を絞る手順そのものは、切込み深さと安全装置から見る充電式丸ノコの選定基準で扱っています。


出典:株式会社マキタ『125mm充電式防じんマルノコを発売(プレスリリース 2024年2月21日)』


出典:株式会社マキタ『125mm充電式防じんマルノコ KS515D/KS516D カタログ』

集じん機との接続で決まるホース径とカフスの組み合わせ

現場でつまずきやすいのは、機械を用意したのにホースの口が合わないという場面です。集じん機に付属するホースの太さは1種類ではなく、機体側の口の形も仕様によって違います。取扱説明書は、この組み合わせを仕様ごとに分けて書いています。

ダストノズルへ直接差せるホース径

KS516Dの手順では、集じん機に付属のホースがφ19またはφ38の場合、ホースを直接ダストノズルへ取り付けると書かれています。追加の部品を挟まずに済むため、朝の段取りが1手減ります。手持ちの集じん機のホース径を先に確認しておくと、現場で部品を探す時間が要りません。

φ28のホースで必要になるフロントカフス38

ホースがφ28の場合は、集じん機のホースにフロントカフス38を取り付けてから、そのカフスをダストノズルへ差します。取扱説明書には、別販売品のホース28にはフロントカフス22と38が同梱されており、口のサイズに合ったカフスを付けて使うという注記が添えられています。カフスは小物ですから、予備を工具箱へ入れておく扱いが向いています。

ダストボックス仕様で先に外すキャップとホースジョイント

ダストボックス仕様のKS515Dを集じん機につなぐ場合は、手順が1つ増えます。ダストボックスに付いているのがダストキャップで、そのダストキャップにはまっている栓がキャップです。取扱説明書の各部名称にも、この2つは別の部品として載っています。集じん機につなぐときは、キャップをダストキャップから取り外します。取り外したキャップはダストボックス上部へ収納し、集じん機を使わないときはダストキャップへ取り付け直します。

ホースがφ19またはφ38のときは、フロントカフス38を別販売品のホースジョイント22-38へ取り付け、そのホースジョイントをダストキャップへ差します。φ28のときはフロントカフス22をダストキャップへ差す形です。自己集じんと集じん機接続を日によって切り替える現場では、この部品の置き場所を決めておくと紛失が減ります。

当社では、お使いの集じん機の型番とホース径をお聞かせいただいたうえで、本体とカフス、ホースの長さまで組み合わせてお出ししています。既にお持ちのホースが使えるかどうかも、その場でお答えできます。


出典:株式会社マキタ『125mm充電式防じんマルノコ KS515D/KS516D 取扱説明書』

無線連動(AWS)で集じん機が工具に追従する仕組み

ホースをつないでも、集じん機のスイッチを別に入れる運用では手が足りません。切るたびに集じん機まで戻るか、回し続けてバッテリーを減らし騒音も出し続けるかの二択になります。無線連動はこの手間を機械側へ渡す仕組みで、マキタはAWSという名前で呼んでいます。

ワイヤレスユニットと対応集じん機という3点の組み合わせ

無線連動を使うには、無線連動に対応した工具と集じん機、そしてワイヤレスユニットの3点が揃う必要があります。取扱説明書の別販売品の欄には、ワイヤレスユニットとしてWUT01が載っており、部品番号はA-66151です。本体を買っただけでは連動しないという点が、見落としの起きやすいところです。

ワイヤレスユニットは、工具側のスロットに付いているキャップを開けて差し込みます。ここでいうキャップはスロットの蓋で、ダストボックス側のダストキャップとは別の部品です。取り付けと取り外しの際は、スイッチを切りバッテリーを抜くという注記が付いています。バッテリーを差したまま行うと、故障の原因になると書かれています。スロットのキャップは使用時も保管時も閉じておく扱いで、開いたまま使うと粉じんが入ります。

機器登録から連動までの3段階

取扱説明書は、無線連動の手順を準備、機器登録、無線連動の3段階に分けて説明しています。準備は順序が決まっており、集じん機の電源スイッチを連動(AUTO)の位置に入れてから、工具の電源を入れて無線ボタンを押します。機器登録で行う工具側と集じん機側の2つの操作については、どちらを先に行っても構わないと注記されています。2回目の使用からは機器登録が要らないため、実際に毎日行うのは準備と連動だけです。

無線連動の3段階と無線ランプの色

段階
工具側の操作
集じん機側の操作
無線ランプ
準備
ワイヤレスユニットを差し、電源を入れて無線ボタンを押す
電源スイッチを連動(AUTO)の位置に入れる
両方が青色点滅
機器登録
緑色点滅になるまで無線ボタンを押し続ける
集じん機側でも同じ操作を行う
緑色点灯のあと青色点滅へ戻る
無線連動
スイッチを入れる
操作は要らない
両方が青色点灯

動き出しには少しの間があります。取扱説明書には、工具のスイッチが入ったことを検知してから集じん機に発信するため、集じん機の始動は少し遅れると書かれています。停止側も同様で、工具のスイッチを切った後もホース内のごみを吸い込むために数秒間運転してから止まります。

連動中は集じん機側の操作スイッチで運転と停止ができません。電源スイッチを連動の位置にしていても、連動運転中でなければ操作スイッチが効くという書き分けです。集じん機だけを回して床のごみを吸いたい場面では、この違いを知っておくと迷いません。

18Vクラスの125mm充電式防じんマルノコKS516Dを使った切断作業の様子

約10mという通信距離と10台という登録上限

取扱説明書は、無線連動の有効距離を約10mとしています。工具と集じん機の間に障害物があると、有効距離が短くなる場合があるという注記も付いています。トラブルシューティングの欄には、最大通信距離約10mが周囲の環境によって変化すると書かれています。間仕切りを立てた部屋をまたいで集じん機を置くと、この距離が効いてきます。

登録台数にも上限があります。集じん機の機器登録が10台を超えると、最も先に登録された機器が解除されるという記述です。複数の職人が同じ集じん機を共用する現場では、使わない工具の登録を解除するか、集じん機側で登録全消去を行って必要な工具だけを登録し直す運用になります。

工具側の待機にも時間の区切りがあります。青色点滅の状態は約2時間で、無操作が2時間続くと消灯して無線連動が止まります。昼休みを挟むと待機が切れている場合がありますから、午後の1本目でランプの色を見る癖を付けておくと空振りが減ります。

連動しないときに当たる確認箇所

連動しない原因として、取扱説明書は次を挙げています。

  • ワイヤレスユニットの取り付け不良や端子の汚れ
  • 工具の無線ボタンの押し忘れ
  • 集じん機のスイッチが連動の位置にないこと
  • バッテリーの容量不足
  • 工具と集じん機が離れすぎていること
  • 周囲に強い電波を発する機器があること

最後の1つについては、Wi-Fi機器や電子レンジから離して操作するという対策まで書かれています。

工具のスイッチに触っていないのに集じん機が動く場合は、別の工具が連動している可能性を先に見ます。機器登録済みのワイヤレスユニットを付けた工具を複数使うときは、使わない側の無線連動を切っておくという注記が警告欄に置かれています。

使用前に連動を確かめるという注記も見落とせません。連動できない状態で使うと、工具から漏れ出した粉じんを作業者が吸い込む恐れがあると書かれています。無線連動は集じんの手間を減らす仕組みであり、連動していない状態を放置すれば、集じん機を持ち込まないのと変わらない環境で作業することになります。

ワイヤレスユニットには、この電子部品そのものに対する使用環境の条件も付いています。電波法に基づく小電力データ通信の無線設備として認証を受けており、使用にあたって無線局の免許は要らないという記述があります。その一方で、次の注記が並びます。

  • 50度を超える環境では使わない
  • 心臓ペースメーカーなどの医療機器の近くでは無線連動を使わない
  • 湿度の高い場所や粉じんの多い場所での使用と保管を避ける

3つめは防じんマルノコ本体ではなく、ワイヤレスユニットの側に掛かる条件です。粉じんの出る現場で本体を使うことを止める記述ではなく、この部品を粉じんの中に置いたままにしないという趣旨で、使用と保管の両方に掛かります。

当社では、工具側と集じん機側の対応可否を型番で照合したうえで、ワイヤレスユニットの本数まで含めてお出ししています。工具の電源方式ごとの向き不向きは、用途と稼働時間から分ける充電式とエンジン式の使い分けでもご覧いただけます。


出典:株式会社マキタ『125mm充電式防じんマルノコ KS515D/KS516D 取扱説明書』

粉じん障害防止規則が事業者に求めている措置

粉じん障害防止規則は昭和54年労働省令第18号で、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防ぐための措置を事業者に課しています。機械の選び方とは別の軸で動く定めですから、防じんマルノコを入れたかどうかとは切り離して読む必要があります。

粉じん作業と特定粉じん発生源という2つの区分

同規則の第2条は用語を3つに分けています。

  • 粉じん作業:別表第一に掲げる作業のいずれかに当たるもの
  • 特定粉じん発生源:別表第二に掲げる箇所
  • 特定粉じん作業:粉じん作業のうち発生源が特定粉じん発生源であるもの

義務の重さがこの区分で変わります。

切断に関わる号として、別表第一の第六号に「岩石又は鉱物を裁断し、彫り、又は仕上げする場所における作業」が挙げられています。ある材料の切断がこの号に当たるかどうかは、材料の組成と作業の形から判断するものですから、現場ごとに確かめる筋道になります。判断がつかない場合は所轄の労働基準監督署に当たるのが早道です。

特定粉じん発生源から外れている手持ち動力工具

別表第二の第五号は、別表第一第六号の粉じん発生源のうち次の箇所を挙げています。「屋内の、岩石又は鉱物を動力(手持式又は可搬式動力工具によるものを除く。)により裁断し、彫り、又は仕上げする箇所」です。括弧の中で手持式と可搬式の動力工具が外されている点が肝です。手で持つ丸ノコで切る箇所は、特定粉じん発生源には入りません。

この切り分けが効くのは第4条です。同条は特定粉じん発生源について、発生源の区分ごとに次のいずれかを設けることを課しています。

  • 密閉する設備
  • 局所排気装置
  • プッシュプル型換気装置
  • 湿潤な状態に保つための設備

手持ちの丸ノコはこの条の対象外ですから、設備を据える義務が直接かかる関係にはありません。同じ材料を可搬式に当たらない設備で切る場合は、この条が正面から効いてきます。卓上マルノコやスライドマルノコがどちらに当たるかは、所轄の労働基準監督署にご確認ください。

呼吸用保護具の使用義務と設備を設けた場合のただし書

手持ち工具の側で効くのは第27条です。別表第三の第四号には、別表第一第六号の作業のうち「手持式又は可搬式動力工具を用いて岩石又は鉱物を裁断し、彫り、又は仕上げする作業」が挙げられています。第27条第1項では、別表第三に掲げる作業に労働者を従事させる場合、有効な呼吸用保護具を使用させることが事業者の義務です。作業の一部を請負人に請け負わせる場合は、呼吸用保護具を使う必要がある旨を周知させる義務が第2項に置かれています。

第27条第1項にはただし書があります。次の措置であって、当該作業に係る粉じんの発散を防ぐために有効なものを講じたときは適用しないという条文です。

  • 粉じんの発生源を密閉する設備
  • 局所排気装置またはプッシュプル型換気装置の設置
  • 粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備の設置等

機械側の備えで保護具の義務が外れる道が用意されている、という読み方になります。

ただし、この道は簡単ではありません。ただし書によって設ける局所排気装置には、第11条で次の要件が課されます。

  • フードを発生源ごとに設けること
  • 外付け式フードは発生源にできるだけ近い位置に設けること
  • 排出口を屋外に設けること
  • 厚生労働大臣が定める要件を備えること

第12条は稼働のさせ方を、第17条は1年以内ごとに1回の定期自主検査を課しています。工具に付けた集じんの仕組みがこれらの要件を満たす装置に当たるかどうかは現場ごとの判断ですから、呼吸用保護具を段取りに残しておくほうが安全側です。

屋内作業場に残る換気・清掃・掲示・休憩設備の定め

保護具の話とは別に、屋内で粉じん作業を行う場合の定めがいくつも残ります。第5条は特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場について、全体換気装置による換気の実施またはこれと同等以上の措置を課しています。手持ち工具で切る現場は、この条が受け持つ側に入ります。

清掃は第24条です。粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日1回以上の清掃が課されています。床や設備等については、1月以内ごとに1回、真空掃除機を用いるか水洗する等の粉じんの飛散しない方法による清掃です。飛散しない方法での清掃が難しい場合について、ただし書も添えられました。清掃に従事する労働者へ有効な呼吸用保護具を使わせたときは、他の方法によることができるという内容です。

休憩設備は第23条です。粉じん作業を行う作業場以外の場所に設け、作業衣等に付着した粉じんを除去できる用具を備えることが課されています。第23条の二が掲示を課す事項は、次の4点です。

  • 粉じん作業を行う作業場である旨
  • 粉じんにより生ずるおそれのある疾病の種類と症状
  • 粉じん等の取扱い上の注意事項
  • 一定の場合に有効な呼吸用保護具を使わなければならない旨と使うべき保護具

第22条の特別の教育は常時特定粉じん作業に係る業務に就かせるときの定めですから、手持ち工具の作業は前提が変わります。

打撃を伴う穿孔の作業では、機械の側で受け持てる範囲が別の形になります。穴あけ側の機種選定と振動の扱いは、打撃方式と振動対策から決めるハンマードリルの選定基準で扱っています。現場での手配の進め方は、広島でハンマードリルを借りるときの手配の進め方でまとめています。


出典:e-Gov法令検索『粉じん障害防止規則(昭和五十四年労働省令第十八号)』

石綿を含む材料で切り替わる規制の枠組み

築年数の経った建物の内装を触る作業では、石綿を含む材料に当たる可能性が残ります。石綿が絡んだ時点で、根拠となる省令が石綿障害予防規則へ移ります。平成17年厚生労働省令第21号で、粉じん障害防止規則とは別に、着手前の調査から保護具まで一続きの手続を課す造りです。

解体・改修の前に置かれた事前調査と記録の保存

同規則の第3条第1項は、建築物、工作物または船舶の解体または改修の作業を行うときに、あらかじめ石綿等の使用の有無を調べることを事業者に課しています。封じ込めと囲い込みも解体等の作業に含まれると条文に書かれており、内装の張り替えのような改修も射程に入ります。

調査の方法は第3条第2項で、設計図書等の文書を確認する方法と目視により確認する方法の両方が挙げられています。第3条第4項では、この事前調査を厚生労働大臣が定める知識を有する者に行わせる義務が置かれました。第3条第5項では、事前調査でも有無がはっきりしないときに分析による調査を行うこととされています。ただし書もあり、石綿等が使用されているものとみなして措置を講ずる場合はこの限りでないという内容です。記録の作成と、事前調査を終了した日から3年間の保存は、第3条第7項の定めです。

石綿等が使用されている建築物等の解体等の作業では、第4条があらかじめ作業計画を定めることを課しています。計画に示すべき事項は、次の3つです。

  • 作業の方法および順序
  • 石綿等の粉じんの発散を防ぎまたは抑える方法
  • 労働者へのばく露を防ぐ方法

計画を定めたときの関係労働者への周知は、同条第3項に置かれています。第4条の二は、一定の規模以上の工事について所轄労働基準監督署長への報告を課しています。建築物の解体工事については、当該工事に係る部分の床面積の合計が80平方メートル以上のものが対象です。

成形品の除去で切断以外の方法を原則とする定め

機械の選び方に関わるのは第6条の二です。石綿等が使用されている成形された材料を建築物等から除去する作業においては、切断等以外の方法により実施することが課されています。切断等以外の方法が技術上難しいときはこの限りでないというただし書は付いていますが、切ることが出発点ではないという順序がはっきり書かれています。切断等という言葉は、第2条第3項で切断、破砕、穿孔、研磨等と定義されました。

ただし書に当たる場合でも条件が続きます。第6条の二第3項は、特に石綿等の粉じんが発散しやすいものとして厚生労働大臣が定めるものを切断等の方法で除去する作業について、次を挙げています。

  • 作業場所をビニルシート等で隔離すること
  • 作業中は常時湿潤な状態に保つことや除じん性能を有する電動工具を使用することその他の発散を防ぐ措置を講ずること
  • 請負人にその旨を周知させること

壁や柱、天井等に用いられた石綿含有仕上げ塗材を電動工具で除去する作業へは、第6条の三が同じ規定を準用します。

切断等の作業に付いてくる湿潤化と除じん性能を有する電動工具

第13条第1項は、石綿等の切断等の作業などに労働者を従事させるときに、次の措置を課しています。

  • 石綿等を湿潤な状態のものとすること
  • 除じん性能を有する電動工具を使用すること
  • その他の粉じんの発散を防ぐ措置

除じん性能を有する電動工具という言葉が条文に出てくるため、集じんを備えた工具は選べる手立ての1つに数えられている読み方になります。同条第2項は石綿等の切りくず等を入れるためのふたのある容器を備えることを課しています。

工具側の措置を講じても、保護具の義務は残ります。第14条第1項は石綿等の切断等の作業等に従事する労働者に呼吸用保護具を使用させることを、第3項は作業衣または保護衣を使用させることを課しています。石綿作業主任者技能講習を修了した者からの石綿作業主任者の選任は第19条、石綿使用建築物等解体等作業に係る業務に就かせるときの特別の教育は第27条の定めです。第12条は石綿等の粉じんが発散する屋内作業場について、発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設けることを課しています。

2つの省令で課される内容の違い

項目
粉じん障害防止規則
石綿障害予防規則
着手前の調査
同規則には事前調査の定めはなし。別表第一の各号に当たるかを判断する
第3条で事前調査。文書の確認と目視、有無が不明なら分析調査、記録は3年間保存
作業計画
同規則には定めはなし
第4条であらかじめ作業計画を定め、関係労働者へ周知
切断という手立て
切断そのものへの制限はなし
第6条の二で成形品の除去は切断等以外の方法が原則
発生源への措置
第4条で特定粉じん発生源に密閉・局所排気・プッシュプル・湿潤の設備
第13条で湿潤な状態、除じん性能を有する電動工具など
呼吸用保護具
第27条で別表第三の作業に有効な呼吸用保護具。ただし書あり
第14条で切断等の作業等に呼吸用保護具と作業衣または保護衣
作業主任者
同規則には定めはなし
第19条で石綿作業主任者を選任
特別の教育
第22条で常時特定粉じん作業に係る業務が対象
第27条で石綿使用建築物等解体等作業に係る業務が対象

取扱説明書が石綿の環境を使用の対象から外している記述

法令とは別に、機械の側にも線が引かれています。KS515DとKS516Dの取扱説明書の安全上のご注意には、アスベスト周辺の環境下で使用しないことという項目が置かれ、除去作業も含むと括弧で添えられています。肺がんなどの健康被害につながるという理由も、同じ項目に添えられました。

石綿を含む材料を防じんマルノコで切るという段取りは、この記述の外側にあります。集じんの造りが付いているかどうかにかかわらず、メーカーが使用の対象から外している環境です。石綿が疑われる材料に当たった時点で、切断ではなく調査へ戻ります。石綿の有無がはっきりするまで工具を当てない、という順番の話です。

同じ安全上のご注意には、粉じんへの備えについての一般的な項目も並んでいます。

  • 人体に有害な成分を含む材料を加工するときに注意すること
  • 作業時に保護メガネを使い、粉じんの多い作業では防じんマスクを併用すること
  • 集じん機などを接続できる機械では、接続して使うことで粉じんの人体への影響を抑えられること

集じんの造りは保護具の代わりではなく、重ねて使うものという位置づけです。

石綿が疑われる材料を扱う工事について機材のご相談をいただいた場合は、まず調査と作業計画が先に立つことをお伝えします。そのうえで、決まった作業方法に合う機材を当社でお出しします。


出典:e-Gov法令検索『石綿障害予防規則(平成十七年厚生労働省令第二十一号)』


出典:厚生労働省『石綿(アスベスト)情報』

屋内改修の段取りへ落とす機械側の組み方

機械と法令の話を、朝の段取りへ落とし込みます。防じんマルノコを1台入れるという判断は、本体だけでは終わりません。刃、ホースとカフス、集じん機、そして電源の系統まで含めて1組と考えると、現場で足りない物が出にくくなります。

切る材料から決まるチップソーの区分

KS515DとKS516Dはチップソーが別販売品です。カタログの別販売品の欄には、防じんマルノコ用チップソーとして次の区分が並んでいます。

  • 一般木材用
  • 木工用
  • 窯業系サイディング用
  • 硬質窯業系サイディング用
  • 石こうボード用
  • ガルバリウム鋼板の薄物金工用
  • ホーロー用
  • メラミン化粧板用
  • ダイヤ系

刃の内径は20mmです。

屋内改修では1日のうちに材料が切り替わります。石こうボードを落として下地を触り、そのあと窯業系サイディングの端部を納めるという流れでは、刃を替えるか材料ごとに機械を分けるかの判断が出てきます。刃の在庫を材料の区分で持っておくと、現場での判断が短くなります。板金材の取り扱いについては板金工具と資材の選び方と現場を止めない調達でも触れています。

集じん機と工具を同じ電源系にそろえる段取り

無線連動は、工具と集じん機の両方が対応していて初めて動きます。工具を40Vmaxシリーズで揃えるのか18Vクラスで揃えるのかという判断は、バッテリーの共用だけでなく、集じん機側の対応状況ともつながります。人が住んでいる建物では電源の取り回しに気を使いますから、集じん機を充電式で持つか交流機で持つかも段取りに関わります。

機種を増やすときは、無線ボタンの操作を職人の間で揃えておくと空振りが減ります。集じん機の登録台数の上限と、使わない工具の連動を切るという注記が現場での運用に直結するためです。工具の入れ替えを進める順序については、現場や用途に応じたマキタの工具の選び方で全体像を整理しています。

集じん一式をまとめて手配するときの窓口

防じんマルノコと集じん機、ワイヤレスユニット、チップソーを別々の窓口で集めると、届く日がばらけて組み合わせの確認が後回しになります。1つの窓口でまとめて当たると、対応可否の照合まで含めて1回で片が付きます。買う先の探し方は広島のマキタ取扱店の探し方で、取引先の見極め方は在庫と納期で見る仕入れ業者の見極めで扱っています。

当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所を合わせた6拠点から、電動工具と建築・土木資材をお届けしています。切る材料と現場の広さ、既にお持ちの集じん機の型番をお聞かせいただければ、本体から刃、ホースまで組み合わせてお答えします。ご相談は法人・個人事業主のお客様を対象としております。

切る材料とお使いの集じん機の型番をお聞かせいただければ、本体とチップソー、ホースとカフスの組み合わせまでお答えします。

当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所から電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
ご不明な点がございましたら、お電話でもお受けしております。082-232-1141(当社 本社)

よくあるご質問

集じん機につながずに防じんマルノコを使えますか

仕様によって答えが変わります。KS003GとKS516Dはダストカバー仕様で、マキタの資料では集じん機接続専用と書かれています。本体側に切り粉をためる容器を持たない造りですから、集じん機をつながずに使う前提の機種ではありません。

集じん機を持ち込めない現場では、ダストボックス仕様のKS004GやKS515Dが受け持ちます。KS515Dについては、ダストボックスとダストカバーが別販売品で互換性有りとカタログに書かれています。付け替えて両方の使い方をまたぐ組み方もあります。どちらの現場が多いかで1台目を決めていただくと、無駄が出にくくなります。

無線連動に対応していない集じん機にも接続できますか

ホースでつなぐこと自体は、無線連動の対応とは別の話です。取扱説明書は接続の手順をホース径ごとに書いており、φ19またはφ38はダストノズルへ直接、φ28はフロントカフス38を介してという分け方です。この手順に無線連動の要否は入っていません。

一方で、工具のスイッチに合わせて集じん機が動き出す機能は使えません。取扱説明書は無線連動を使うために、無線連動に対応した工具と集じん機、ワイヤレスユニットの3点が要ると書いています。手元で集じん機を入り切りする運用を続けるか、集じん機の入れ替えを含めて考えるかの分かれ道になります。

防じんマルノコを使えば防じんマスクは省けますか

省ける前提で段取りを組まないほうが安全です。粉じん障害防止規則第27条第1項は、別表第三に掲げる作業について有効な呼吸用保護具の使用を課しています。同項のただし書は、次の措置を講じたときに適用しないとしています。

  • 密閉する設備
  • 局所排気装置またはプッシュプル型換気装置
  • 湿潤な状態に保つための設備の設置等

ただし、これらの装置には第11条の要件と第17条の定期自主検査が付いてきます。

工具に付いた集じんの仕組みがこれらの装置に当たるかどうかは現場ごとの判断ですから、条文の文言だけで保護具を外す判断はできません。取扱説明書の側も、粉じんの多い作業では防じんマスクを併用することと書いています。集じんの造りと保護具は重ねて使うものとして扱ってください。

石綿が入っているかもしれない古い内装材はそのまま切ってよいのですか

工具を当てる前に調査へ戻る流れになります。石綿障害予防規則第3条は、建築物等の解体または改修の作業を行うときに、あらかじめ石綿等の使用の有無を調べることを事業者に課しています。設計図書等の文書の確認と目視の両方で行い、有無がはっきりしないときは分析による調査へ進むという組み立てです。

石綿等が使用されている成形品の除去については、第6条の二が切断等以外の方法によることを課しています。加えて、取扱説明書の安全上のご注意には、アスベスト周辺の環境下では使用しないことという項目が除去作業も含めて置かれています。石綿が疑われる材料に防じんマルノコを当てるという段取りは避けて、調査と作業計画を先に置いてください。

集じん機と防じんマルノコを別々の店で買った場合の修理はどうなりますか

恐れ入りますが、他の販売店やホームセンター、通信販売でお求めになった製品の修理は当社ではお受けしておりません。お買い求めになった販売店、またはメーカーの窓口へご相談ください。マキタ製品については、マキタが全国129か所の営業所を通じてサービス活動を行っており、営業所とマキタ登録販売店が窓口として案内されています。当社が納めた製品については、機種と症状をお知らせいただければ、進め方と代わりの機材の手配をあわせてお答えします。


出典:株式会社マキタ『支店・営業所』

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