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マキタのドライバドリルの機種とトルクの見方|インパクトドライバーとの役割の分け方

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マキタのドライバドリルは、型番の頭がDFで始まります。DF002G、DF003G、DF473D、DF333Dのように、続く数字とアルファベットで系列が分かれます。ドリルという呼び名が付いていますが、現場でこの機械に任せる仕事の多くはねじ締めです。

マキタが機種ごとに公開している取扱説明書の主要機能の欄を並べると、インパクトドライバーとの違いが1行で分かります。インパクトドライバーの欄には打撃数という行がありますが、ドライバドリルの欄には打撃数の行がありません。代わりに並ぶのが、ネジ締め能力、穴あけ能力、ドリルチャック能力の3つです。ねじが締まりきったところで回転を切るのは、打撃ではなくクラッチという機構です。

クラッチの細かさは機種で違います。DF333DとDF473Dの取扱説明書は、締め付け力の切り替えを20段階と書いています。DF002Gは21段階です。DF003Gは速度ごとに変わり、低速で41段階、高速で25段階です。段数の差は、締めたいねじの呼び径と材料の硬さにどこまで合わせられるかという差です。

この記事では、次の内容を整理します。

  • クラッチが回転を切るというねじ締めの仕組み
  • 機種ごとに変わる締め付け力の段数
  • 変速段数とチャック口径で分かれるDF系の並び
  • 穴あけとねじ締めを1台で回すときの手順
  • ペンドライバドリル、スクリュードライバ、オートパックスクリュードライバという派生
  • インパクトドライバーとの役割の分け方

※本記事は2026年9月時点で公開されている株式会社マキタの取扱説明書およびニュースリリースの記載をもとに整理したものです。仕様は改良により変更される場合がありますので、導入前には対象の型番の取扱説明書で最新の記載をご確認ください。

当社はマキタの代理店です。広島の本社と5つの営業所から、電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
お探しの品目やお困りごとがはっきりしている場合は、この先を読み進める前にご相談いただいて構いません。ご相談は法人・個人事業主のお客様を対象としております。082-232-1141(当社 本社)/お問い合わせフォーム

目次

クラッチが回転を切るというドライバドリルのねじ締め

DF003Gの取扱説明書には、作業モードと動作を並べた短い表が載っています。ねじ締めモードの動作は回転とクラッチ、ドリルモードの動作は回転のみと書かれています。ドライバドリルの本体先端にあるリングは、この2つの動作を入れ替えるための切り替えです。

ねじ締めモードでは、ねじが座面に当たって負荷が上がった時点でクラッチが滑り、回転が先端に伝わらなくなります。締め込む力は本体を押す強さではなく、あらかじめ合わせておいた目盛で決まります。ドリルモードではクラッチが働かないため、穴をあける刃であるキリが食い込んでも回転が切れません。

ねじ締めモードは回転とクラッチの組み合わせです。DF003Gの取扱説明書はこの動作を回転とクラッチと表記しています。

ドリルモードは回転のみです。DF002Gの取扱説明書には、ドリルの作業時には締め付け力の調整は必要ないと書かれています。

目盛の合わせ込みはモーターが止まっている状態で行います。回転中に切り替えると故障の原因になると注記されています。

回転とクラッチ、回転だけを入れ替えるモード切り替えリング

DF003Gの取扱説明書では、モード切り替えリングをねじのマークに合わせるとねじ締めモードと案内されています。ドリルのマークに合わせるとドリルモードです。リングを途中の位置で使うと切り替え機構の故障の原因になる、という注記も付きます。DF333Dの取扱説明書も同じ形で、モード切り替えリングを最後まで回し切るよう求める注記が入っています。

DF002Gのように、締め付け力切り替えリングにドリルのマークが並んでいる機種もあります。ねじ締めのときは1から21の目盛に矢印を合わせ、穴あけのときはドリルのマークに矢印を合わせるという操作です。リングが1つで済むぶん、目盛の位置を作業のたびに見る手間が残ります。インパクトドライバーでモードを切り替える考え方はインパクトドライバーの機種選定の基準で整理しています。

クラッチ作動で引金を戻す機種と自動停止する機種

クラッチが働いた後の挙動は機種で分かれます。DF002Gの取扱説明書は、クラッチが作動したらスイッチの引金を戻すという手順で書かれています。使う人が引金を戻すまでクラッチは滑り続けます。

DF003Gの取扱説明書では、クラッチが作動すると自動停止し、そのときライトが点灯すると書かれています。ライトはスイッチレバーを放して5秒後、または再度スイッチレバーを引くと消灯します。締まったことが手応えと明かりの両方で分かる作りです。連続で本数を追う作業では、この差が1本あたりの手数に出ます。

低温時にクラッチが早く作動するという注意書き

DF003Gの取扱説明書のねじ締めの項には注記が入っています。本体が低温になっているときは、クラッチが早く作動する場合があるという書き方です。冬場の朝一番や屋外に置いたままの機械では、前日と同じ目盛でもねじが浮くことがあります。目盛を1つ上げる前に、本体が冷えていないかを見る順番になります。

同じ取扱説明書には、締め付け力の調整は作業前に試すようにという注記も並んでいます。ねじの呼び径と材料が変わるたびに1本試し締めをする手順が、仕上がりのばらつきを抑える近道です。

締めるねじの呼び径と下地の材料をお聞かせいただければ、目盛の当たりが付けやすい機種から当社が候補をお出しします。試し締め用の端材の手配についてもあわせてご相談いただけます。


出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF033D・DF333D 取扱説明書』

20段・21段・41段と機種で変わる締め付け力の段数

締め付け力の段数は、取扱説明書の使い方の項に数字で書かれています。マキタが公開している記載を型番順に並べたものが次の表です。段数と切り替えの形の2つを見ると、同じDF系でも操作の性格が違うことが読み取れます。

型番ごとの締め付け力の段数と切り替えの形(マキタの取扱説明書の記載)

型番
締め付け力の段数
切り替えの形
DF033D・DF333D
20段階(目盛1、3、…20)
締め付け力切り替えリング
DF473D・DF483D
20段階(目盛1、3、5…20)
締め付け力切り替えリング
DF002G
21段階(目盛1、3、5…21)
締め付け力切り替えリング
DF003G
低速41段階/中速30段階/高速25段階
ダイヤルと表示、ダイヤルロックボタン
DF010D(ペンドライバドリル)
21段階(目盛1、2、…21)
締め付け力切り替えリング

機械式のリングは、目盛が奇数飛びで刻まれている機種が多くあります。DF002Gの取扱説明書には、目盛1から3、5と順に強くなると書かれています。DF003Gだけは表示が数字で出るダイヤル式なので、段数の刻み方そのものが変わります。

手袋をした手でマキタの充電式ドライバドリルを支え、鋼材にねじを打っている場面。クラッチリングに21、19、17、15、13、11と奇数の目盛が刻まれているのが見えます。

目盛の数字を機械ネジと木ネジに対応させた一覧

DF002GとDF003Gの取扱説明書には、目盛の数字とねじの呼び径を対応させた一覧が載っています。行は機械ネジの呼び径と木ネジの呼び径に分かれ、木ネジの行はさらに軟らかい材料と硬い材料の2段に分かれます。取扱説明書は軟らかい材料の例として松、硬い材料の例としてラワンを挙げています。

同じ木ネジでも、松に締めるときとラワンに締めるときで合わせる目盛がずれます。その例がDF003Gの低速側の一覧にあります。呼び径3.5mm×22mmの木ネジは、軟らかい材料と硬い材料で1段ずれた位置に置かれています。目盛を材料ごとに書き分けているところが、この一覧の使いどころです。

DF002Gの取扱説明書は、段数を21段まで刻む狙いを2つで説明しています。1つは、M4からM6の機械ネジ締め付け作業に合う締め付けトルクが設定できることです。もう1つは、木ネジで太さ、長さ、材料の硬さが変わっても面合わせがしやすくなることです。面合わせとは、ねじの頭を材料の面と同じ高さでそろえる仕上げを指します。細かく刻む狙いは、締める力を上げることではなく面をそろえることにあります。プロ向けモデルと日曜大工向けモデルで作りがどう分かれるかはプロ仕様とDIYモデルの違いでも扱っています。

速度ごとに段数を記憶するDF003Gの電子ダイヤル

DF003Gの締め付け力は、ダイヤルロックのボタンでロックを解除してからダイヤルを回して合わせます。取扱説明書によると、段数は低速で41段階、中速で30段階、高速で25段階から選べます。速度が下がるほど刻みが細かくなる並びです。

速度切り替えレバーの1、2、3の位置ごとに表示の数値を記憶するという記載もあります。レバーを動かして速度が切り替わると、表示が3回点滅して知らせます。速度を戻したときに前の設定へ戻るため、木ねじと機械ねじを行き来する作業で合わせ直しが減ります。

制限もはっきり書かれています。締め付け力を変えられるのはねじ締めモードのときだけで、ドリルモードにすると切り替えができません。作業中の変更もできず、本体が止まった状態で1分間操作がないと表示が消灯します。切り粉がダイヤルに付いていないかを見るよう求める注記も付いています。

当社は本社と福山、三次、呉、岡山、周南の5つの営業所で在庫と手配を回しています。ダイヤル式と機械式リングのどちらが現場に合うか迷う場合は、締める本数と持ち替えの頻度をお知らせください。当社が絞り込みをお手伝いします。


出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF473D・DF483D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ペンドライバドリル DF010D 取扱説明書』

変速段数とチャック口径で分かれるDF系の並び

DF系は電圧の系統ごとに機種が置かれています。取扱説明書の主要機能の欄から、電圧と回転数、質量を並べたものが次の表です。質量はバッテリーを付けた状態の数値です。

DF系の電圧・回転数・質量(マキタの取扱説明書の主要機能)

型番
電圧
回転数(回転/分)
質量
DF033D
直流10.8V
低速0〜450/高速0〜1,700
0.93kg
DF333D
直流10.8V
低速0〜450/高速0〜1,700
1.1kg
DF473D
直流14.4V
低速0〜500/高速0〜1,700
1.4kg
DF483D
直流18V
低速0〜500/高速0〜1,700
1.5kg
DF002G
直流36V(40Vmax)
低速0〜600/高速0〜2,200
1.9kg(BL4025装着時)
DF003G
直流36V(40Vmax)
低速0〜650/中速0〜1,800/高速0〜2,400
2.5kg(BL4025装着時)

同じ主要機能から、ねじ締めと穴あけの能力欄を抜き出したものが次の表です。木ネジの数値は呼び径と長さ、穴あけの数値はキリが通る径を指しています。

DF系のネジ締め能力・穴あけ能力・チャック能力(マキタの取扱説明書の主要機能)

型番
ネジ締め能力
穴あけ能力
チャック能力
DF033D
木ネジ 呼び径5.1mm×63mm/小ネジ M6
鉄工 内径10mm/木工 内径21mm
対辺6.35mm 六角ビット
DF333D
木ネジ 呼び径5.1mm×63mm/小ネジ M6
鉄工 内径10mm/木工 内径21mm
0.8〜10mm
DF473D・DF483D
木ネジ 呼び径6mm×75mm/小ネジ M6
鉄工 内径13mm/木工 内径36mm
1.5〜13mm
DF002G
木ネジ Φ10mm×90mm/小ネジ M6
鉄工 φ13mm/木工 φ38mm
1.5〜13mm
DF003G
木ネジ φ10mm×90mm/小ネジ M6
鉄工 φ20mm/木工 φ50mm(座堀りφ76mm)
1.5〜13mm

2つの表は読み合わせて使います。1つ目の表で電圧と回転数から機種の系統を絞り、2つ目の表であけたい穴と締めたいねじが能力の範囲に入るかを見る順番です。

2スピードと3スピードで変わる低速側の回転数

DF002GとDF473Dは速度切り替えレバーが1と2の2段です。取扱説明書には対応表が載っています。1は回転が遅く締め付け力が強いため、負荷の高い作業向きです。2は回転が速く締め付け力が弱いため、負荷の低い作業向きです。速度を選ぶ操作が、そのまま締め込む力の選び分けにもなっています。

DF003Gだけは1、2、3の3段です。取扱説明書の対応表は、低速が強で高負荷、中速が中で中負荷、高速が弱で低負荷と並びます。低速側の回転数は0から650回転/分で、DF002Gの0から600回転/分より上に置かれています。中速の0から1,800回転/分があるため、下穴あけとねじ締めの間にもう1段挟めます。

速度の切り替えは、モーターが止まった状態で行う手順です。DF002Gの取扱説明書には注記があります。高速側で作業中に回転が落ちる場合は、いったん止めてから低速へ切り替えるよう求める書き方です。そのまま使い続けるとモーターの焼損の恐れがあるとも書かれています。18Vの系統をどこまで寄せるかという判断は18V機の現場での使いどころにまとめています。

1.5〜13mmと0.8〜10mmという2つのチャック能力

チャック能力は、くわえられるキリの軸径の範囲です。DF473D、DF483D、DF002G、DF003Gは1.5mmから13mmと書かれています。DF333Dは0.8mmから10mmで、細い側に広く、太い側は狭くなります。

下側の数値が効くのは細いキリを使う場面です。0.8mmまで下がるDF333Dは、金物の下穴のように細い径を扱う作業でくわえ直しが要りません。上側の数値が効くのは太いキリで、13mmまで入る系統は鉄工の穴あけ能力もφ13mm以上に置かれています。

穴あけ能力の欄も見比べる必要があります。DF003Gは鉄工φ20mm、木工φ50mm、座堀りφ76mmです。DF002Gの鉄工φ13mm、木工φ38mmより広い範囲が書かれています。チャックに入る軸径と、機械が抜ける穴径は別の欄です。バッテリーの系統をどこにそろえるかはマキタのバッテリーの選び方と寿命で整理しています。

六角ビット専用と全長149mmという狭所側の作り

DF033DとDF333Dは同じ取扱説明書に並んで載っていて、電圧も回転数もネジ締め能力も共通です。違うのは先端の受けと寸法だけです。DF033Dは対辺6.35mmの六角ビット専用で、本体寸法は149mm×66mm×212mmです。DF333Dはチャック付きで、179mm×66mm×212mmと書かれています。

全長の差は30mmで、質量は0.93kgと1.1kgです。チャックを載せた分がそのまま長さと重さに出ています。天井裏や配管の脇のように手が入る幅が決まっている場所では、30mmの差が入るか入らないかを分けます。

ただし、六角ビット専用の機種はチャックにキリをくわえる使い方ができません。六角軸のキリを別に用意するか、穴あけは別の1台に任せる組み方になります。1台で通すか2台に分けるかを、作業の中身から決める順番です。

狭所用と通常用を2台に分ける組み方も、1台で通す組み方も、ご相談のうえで当社から見積りをお出ししています。バッテリーの本数と充電器の台数まで含めた形でお答えできます。


出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF033D・DF333D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF473D・DF483D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』

穴あけとねじ締めを1台で回すときの手順

ドライバドリルが1台で2つの仕事をこなせるのは、モードの切り替えとチャックの2つがそろっているからです。取扱説明書には、下穴あけからねじ締めまでの手順と注記が分けて書かれています。順番どおりに動かすと、ねじの頭をつぶさず、材料も割らずに締められます。

下穴のキリ径を木ネジより細くする下ごしらえ

DF002GとDF003Gの取扱説明書のねじ締めの項には案内が入っています。木ネジを締める場合は、木ネジの径よりも細いキリで下穴をあけておくと材料のワレを防げるという書き方です。DF002Gは作業性が向上すると書き、DF003Gは仕上がりが向上すると書いています。

下穴の径をねじの径より細くするのは、ねじ山が材料をつかむ余地を残すためです。同じ径のキリで抜いてしまうと、ねじが空回りして締め込む力が伝わりません。逆に細すぎると材料が割れます。木ネジの呼び径ごとに使うキリを決めておくと、現場での迷いが減ります。

鉄工の穴あけについても注記があります。DF002Gの取扱説明書には、金属板に穴をあける場合の手順が書かれています。穴あけ位置にセンタポンチでクボミをつくるとキリの先端が滑らず、狙った位置にあけられます。キリにマシン油などを塗ると焼き付きが起こりにくくなるという記載も並びます。

同じ穴あけでも、相手が木材か鉄板かで使うキリが変わります。木工用と鉄工用のキリを、下穴の径ごとにそろえておく形です。

左に「鉄工」、右に「木工」と並べた2枚組の比較図。左は金工用のキリで鉄板に穴をあける場面、右はオーガビットで木材に穴をあけて切り屑が飛んでいる場面で、どちらもマキタの充電式ドライバドリルDF003Gを使っています。

ドリルモードで締め付け力の調整が要らなくなる切り替え

DF002Gの取扱説明書のドリルの項には、ドリルの作業時には締め付け力の調整は必要ないと書かれています。DF003Gでは、ドリルモードにすると締め付け力の切り替えができなくなると書かれています。文言は違いますが、穴あけのときは目盛を見なくてよいという同じ内容です。

切り替えを飛ばすと、穴の途中でクラッチが滑って回転が止まります。ねじ締めの目盛のままキリを回すと、抜けきる前に止まって同じ場所を何度も突くことになりかねません。下穴の1本目でリングの位置を見る習慣が、そのまま作業の速さにつながります。

穴の抜けぎわには警告が付きます。DF002Gの取扱説明書は、穴の抜けぎわを見ながら慎重に作業するよう求めています。抜けぎわではキリが折れたり、本体に大きな力がかかって振り回される恐れがあるためです。キリを逆転させて抜くときも、本体をしっかり保持してからスイッチを入れるという手順です。石工の穴あけに使うハンマードリル側の押し付け方はハンマードリルの打撃方式と振動対策で扱っています。

ネジの頭をいためない本体の当て方

DF002GとDF003Gの取扱説明書には、締め付けるネジに対して本体をまっすぐに保持するという注記があります。本体が斜めになるとネジの頭部をいためることがあると書かれています。クラッチで締め込む力を決めていても、当てる角度が崩れると頭は残りません。

押し付ける強さについても書かれ方が具体的です。手順は、ネジの頭の溝にビットを合わせ、スイッチの引金を少しずつ引くところから始まります。押し付ける力は、ビットがネジの頭からはずれない程度です。強く押し込むのではなく、ビットが逃げない分だけ押すという加減になります。

同じ注意はスクリュードライバの取扱説明書にも書かれています。FS440Dの取扱説明書には、本体が斜めになるとネジの頭部をいためたり、ビットの摩耗につながると書かれています。決められた締め付け力がネジに伝わらず、ネジ浮きの原因になるともあります。頭をつぶす、ビットが減る、ねじが浮くという3つが同じ原因から出ます。

下穴用のキリとビットの組み合わせは、本体と一緒に当社でお出ししています。ねじの呼び径の一覧をお送りいただければ、そろえておく下穴径の並びをお答えします。


出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式スクリュードライバ FS440D 取扱説明書』

狭所と連続ねじ締めに向くDF系の派生

ドライバドリルの周りには、ねじ締めに寄せた派生が並んでいます。次の3系統です。

  • ペンドライバドリルは、手が入らない場所に向けた形です。
  • スクリュードライバは、ボード貼りのように同じねじを何百本も打つ作業に向いています。
  • オートパックスクリュードライバは、連結されたビスを送り込みます。

どれも取扱説明書の呼び名が別で、主要機能の欄の並びも変わります。

ピストル型とストレート型で寸法が別に載るペンドライバドリル

ペンドライバドリルは、本体を折り曲げて2つの形で使える作りです。DF010Dの取扱説明書の主要機能では、本機寸法の行がストレート型とピストル型に分かれます。ストレート型は長さ279mm×幅43mm、ピストル型は長さ224mm×幅43mm×高さ141mmと書かれています。1つの機械に2組の寸法が載るのは、この分類の特徴です。

能力の欄はDF系の本流より小さくなります。DF010Dは直流7.2Vで、回転数は高速650回転/分、低速200回転/分です。ネジ締め能力は小ネジM5と木ネジΦ3.8mm×45mmです。穴あけ能力は鉄工キリΦ5mmと木工キリΦ6mm、質量は0.55kgです。締め付け力切り替えリングは21段階あり、刻みの細かさは本流と同じ水準です。締められるねじは小ネジM5までですので、化粧プレートや金物の小ねじが主な相手です。

ペンドライバドリルの分類にはDF012Dも置かれています。能力の数値は機種によって幅がありますので、導入前に対象の型番の取扱説明書でご確認ください。スイッチボックスやプレートの取り付けのように、片手が入る幅しかない場所で使う機械という位置づけです。マキタの工具全体からの絞り込みは用途に応じた工具選びの基準にまとめています。

マキタの充電式ペンドライバドリルDF012Dをピストル型にした状態。本体に描かれた2本の矢印が、グリップを回してストレート型とピストル型に切り替えられることを示しています。締め付け力切り替えリングには17、19、21の目盛が見えます。

締め付け深さをアジャストスリーブで決めるスクリュードライバ

スクリュードライバには締め付け力の目盛がありません。止める位置を決めるのは深さです。FS440Dの取扱説明書には、アジャストスリーブを回して締め付け深さを調整すると書かれています。動かせる量は、ロックリング1回転につき2.0mmです。アジャストスリーブの先端とねじの頭との距離が約1mmになるように合わせ、試し締めで微調整するという手順です。

ねじの当て方も違います。ネジをビットに合わせ、ねじ込む場所にネジの先を当てて押し付けます。そこからスイッチを入れ、締め終わったらネジからビットを離すという流れです。スイッチが入っている状態で手でネジを押し込まないよう、警告として書かれています。

スクリュードライバ3機種の電圧・回転数・締め付け能力(マキタの取扱説明書とニュースリリースの記載)

型番
電圧
回転数(回転/分)
締め付け能力
FS440D
直流14.4V
4,000
ドライウォール 4mm
FS455D
18V
0〜4,500
ドライウォール φ5mm/テクスネジ φ5mm
FS600D
18V
0〜6,000
ドライウォール φ4mm

FS600DとFS455Dは2019年2月22日のニュースリリースで発表された機種です。リリースには、プッシュドライブ機能を載せたと書かれています。ネジをボードに押し付けたときのみモーターが回転する仕組みで、無負荷時の騒音とバッテリ消費を抑えます。本機寸法と質量は2機種に共通です。BL1860Bを装着した状態で、254mm×84mm×203mm、1.6kgと書かれています。バッテリアダプタを使うと手元にかかる負荷を約30%下げられるという記載もあり、比較の相手はマキタ自社の交流機です。

1充電あたりの作業量も本数で書かれています。BL1860Bを使った場合の参考値として、リリースが挙げているのはFS600DとFS455Dに共通の次の3つです。

  • 厚さ12.5mmの石こうボード1枚と木下地に4mm×28mmのボードネジを打つ場合、約3,500本
  • 2枚重ねに4mm×40mmを打つ場合、約2,500本
  • 鋼製下地に3.5mm×25mmを打つ場合、約2,800本

FS440Dの取扱説明書にも同じ形の参考値が載っています。厚さ12.5mmのボード1枚と木材の下地に3.5mm×22mmで約790本です。2枚重ねに3.5mm×32mmを打つ場合は約700本です。下地が鋼製に変わるか、ボードが2枚重ねになるかで本数が動きます。バッテリーの本数を決めるときは、下地の条件までそろえて見てください。

コイル連結ビスに対応したオートパックスクリュードライバ

FR451Dは2021年2月25日のニュースリリースで発表されました。リリースには、コイル連結ビスに対応した充電式のオートパックスクリュードライバと書かれています。マキタ18Vリチウムイオンバッテリを使い、ハイパワーブラシレスモーターを載せた機種です。用途は内装作業で、天井や壁に石こうボードなどを貼る作業が挙げられています。

充電式にしたことで、ホースやコードを引いて回る交流機やエア機に比べて取り回しが上がったという説明です。ケーシングの素材にはアルミが採用され、ワンタッチ着脱機構でビット交換ができると書かれています。プッシュドライブ機能はスクリュードライバと同じ考え方です。

手元の重さについては具体的な数値が出ています。別販売品のバッテリアダプタBAP18Eを付けると、バッテリーを本体に付けた状態に比べて約450g軽くなるという記載です。上向きでビスを打ち続ける作業では、450gの差が腕に残る負担を変えます。

ボード貼りの本数が読める現場にはスクリュードライバが向きます。木工と金物のねじが混ざる現場にはドライバドリルが向きます。当社は作業の中身から並べてご提案しています。バッテリアダプタや連結ビスの手配も同じ窓口でお受けします。


出典:株式会社マキタ『充電式ペンドライバドリル DF010D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式スクリュードライバ FS440D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『ニュースリリース(2019年2月22日)』
出典:株式会社マキタ『ニュースリリース(2021年2月25日)』

インパクトドライバーとの役割の分け方

ドライバドリルとインパクトドライバーは、どちらもねじを締める機械です。どこで分けるかを言葉で説明すると長くなりますが、取扱説明書の主要機能の欄を並べると欄の名前そのものが違います。持っている能力の違いが、表の項目に出ています。

打撃数の行があるかないかという主要機能表の差

TD161DとTD171Dの取扱説明書の主要機能には、回転数の行の下に打撃数の行が置かれ、モードごとの数値が並びます。締め付けトルクの行もあります。TD171Dは最大180N・mで、M16の高力ボルトを3秒締め付けたときの数値と注記されています。

締め付け能力の行には、次の4つが並びます。

  • 小ネジ M4からM8
  • 普通ボルト M5からM16
  • 高力ボルト M5からM14
  • コーススレッド 22mmから125mm

DF系の主要機能には打撃数の行も締め付けトルクの行もありません。並ぶのはネジ締め能力、穴あけ能力、ドリルチャック能力です。ボルトの呼び径が書かれる代わりに、キリが通る穴径とチャックにくわえられる軸径が書かれます。トルクの数値を読む手順そのものは業務用モデルの耐久性と稼働時間の見方にまとめています。

主要機能に載る欄の違い(マキタの取扱説明書の記載)

主要機能の欄
ドライバドリル(DF系)
インパクトドライバー(TD系)
打撃数
記載なし
モードごとに記載
締め付けトルク
記載なし
最大値と測定条件を記載
穴あけ能力
鉄工と木工に分けて記載
記載なし
ドリルチャック能力
軸径の範囲を記載
記載なし
ねじ締めの能力欄
木ネジと小ネジを記載
小ネジ・ボルト・コーススレッドを記載

ねじの頭とビットに残る負担の出方

ドライバドリルは、決めた目盛でクラッチが滑って回転が切れます。締め込みが止まる位置を機械側が持っているため、化粧材の面合わせや金物の小ねじのように、締めすぎると困る相手に向きます。座面に当たった後も回し続けてしまう失敗が起こりにくい作りです。

インパクトドライバーは打撃で押し込むため、同じねじを締めても頭とビットにかかる負担の出方が変わります。長いコーススレッドを木材へねじ込む作業や、ボルトを回す作業では、この押し込む力が効いてきます。TD171Dの締め付け能力にコーススレッド22mmから125mmが書かれているのは、この使い方を想定した欄です。

どちらでも締まる相手も出てきます。分け方の物差しになるのは、頭を残したいかどうかです。仕上げに見える面や、下地の板厚が薄くてねじが抜けやすい場所は、クラッチで止まる側に寄せる判断になります。機種ごとの向き不向きは電動インパクトの現場別の使い分けで扱っています。

下穴あけと本締めで2台を持ち替える組み方

1台で通す組み方と、2台を持ち替える組み方があります。ドライバドリルはチャックにキリをくわえられるため、下穴あけを任せられます。インパクトドライバーの先端は六角軸の受けで、丸軸のキリは入りません。下穴の径を細かく選びたい作業では、ドライバドリルを下穴専用に据える形が回ります。

持ち替えを前提にすると、モードやリングの合わせ直しが減ります。ドライバドリルはドリルモードで固定し、インパクトドライバーで本締めをするという分担です。作業のたびにリングを回す手間が減るため、本数の多い現場では手数の差が積み上がります。

2台に分けるときはバッテリーの系統をそろえておくと、充電器の台数と予備の本数を抑えられます。電圧の系統をまたぐと同じ充電器が使えない組み合わせも出てきます。工具間でバッテリーを回せる範囲は電動工具のバッテリー使い回しの可否で整理しています。

当社では、下穴用と本締め用の2台をバッテリーの系統をそろえた形でお出しすることもできます。手持ちの機械の型番をお知らせください。そこに足す1台という組み方でご相談をお受けします。


出典:株式会社マキタ『充電式インパクトドライバ TD161D・TD171D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』

締めるねじの呼び径と下地、1日の本数をお聞かせいただければ、該当するマキタの型番の範囲とビットの組み合わせまでお答えします。

当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所から電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
ご不明な点がございましたら、お電話でもお受けしております。082-232-1141(当社 本社)

よくあるご質問

締め付け力の段数が多い機種ほどねじ締めに向いていますか

締め付け力の段数が多い機種ほどねじ締めに向いているとは限りません。段数は締める力の上限ではなく、刻みの細かさを表しています。DF002Gの取扱説明書は、21段まで刻む狙いを2つで説明しています。M4からM6の機械ネジに合う締め付けトルクを設定できること、木ネジの面合わせがしやすくなることの2つです。締める相手が1種類に決まっている作業では、段数が少なくても合わせ込みで困りません。

ねじの呼び径や下地が日によって変わる作業では、段数と切り替えの形が効いてきます。速度ごとに設定を記憶するDF003Gのような作りは、行き来のある作業で合わせ直しを減らします。段数だけを見て並べるのではなく、締める相手の幅とあわせて見る順番です。

ドライバドリル1台で穴あけとねじ締めの両方をこなせますか

ドライバドリルは1台で穴あけとねじ締めの両方をこなせます。取扱説明書はどちらの作業も本体の使い方として案内しています。モードをドリルに切り替えれば回転のみになり、ねじ締めに切り替えれば回転とクラッチになります。穴あけの範囲はチャック能力と穴あけ能力の2つの欄で決まりますので、あけたい径が入るかを機種ごとにご確認ください。

1台で回すときは、リングの位置を作業のたびに見る手間が残ります。本数が多い現場では、下穴用と本締め用を分けたほうが手数が減ります。作業の中身と本数から、1台と2台のどちらが向くかを決める順番です。

スクリュードライバはドライバドリルの代わりになりますか

スクリュードライバはドライバドリルの代わりにはなりません。止める仕組みが違うためです。スクリュードライバは、アジャストスリーブで締め付け深さを決める作りです。締め付け能力の欄には、ドライウォールの径が書かれています。ボードを下地に留める作業に向けた機械です。

穴あけの欄そのものがありませんので、キリをくわえて下穴をあける使い方はできません。木工と金物のねじが混ざる作業や下穴あけを含む作業は、ドライバドリルが受け持ちます。両方の作業がある現場では、2系統をそろえる組み方になります。

締め付けたねじが浮いてしまうのは本体の不具合ですか

締め付けたねじが浮くのは、本体の不具合とは限りません。先に見るところが3つあります。1つ目は目盛の位置で、前の作業から変わっていないかを見ます。2つ目は本体の温度です。DF003Gの取扱説明書には、本体が低温になっているときはクラッチが早く作動する場合があると書かれています。3つ目は当てる角度で、本体が斜めになると決められた締め付け力がネジに伝わらないという注記が取扱説明書に入っています。

3つを見ても直らない場合は、クラッチ側の消耗やビットの摩耗も候補に入ります。同じ症状が特定の1台にだけ出るのか、機械を替えても出るのかを見ると切り分けが進みます。広島県内での購入と相談の進め方は電動工具の業者選びの判断基準にまとめています。

他の販売店で買ったDF系の本体も当社で対応できますか

恐れ入りますが、他の販売店やホームセンター、通信販売でお求めになった製品の修理は当社ではお受けしておりません。お買い求めになった販売店、またはメーカーの窓口へご相談ください。マキタ製品については、マキタが全国129か所の営業所を通じてサービス活動を行っており、営業所とマキタ登録販売店が窓口として案内されています。当社が納めた製品については、機種と症状をお知らせいただければ、進め方と代わりの機材の手配をあわせてお答えします。


出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF002G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式ドライバドリル DF003G 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『充電式スクリュードライバ FS440D 取扱説明書』
出典:株式会社マキタ『支店・営業所』

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当社はマキタの代理店として、本社と5つの営業所から電動工具と建築・土木資材をお届けしています。
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